【猟師が解説】ジビエドッグフードの寄生虫・感染症リスク|安全な加熱基準と選び方

鹿肉や猪肉を使ったジビエドッグフードは、野生鳥獣の命を無駄にせず、犬用ペットフードとして有効活用できる選択肢です。その一方で、飼い主さんのなかには「野生の鹿肉には寄生虫がいるのでは?」「冷凍や乾燥をすれば犬に与えても大丈夫?」と不安を感じている方もいるでしょう。

結論からいうと、野生の鹿や猪は、寄生虫、細菌、ウイルスなどを保有している可能性があります。家畜のように飼育環境や健康状態が管理されていないため、捕獲したばかりの新鮮な肉であっても、生または加熱不十分な状態で犬に与えるのは避けるべきです。

ただし、「ジビエだから危険」と単純に考える必要もありません。捕獲時の個体確認、衛生的な解体、適切な温度管理、肉の中心部までの加熱、加熱後の二次汚染防止まで、一つひとつの工程を適切に管理することでリスクを低減できます。

この記事でわかること

  • ジビエドッグフードに寄生虫がいる可能性
  • 鹿肉・猪肉で注意したい寄生虫や感染症
  • 冷凍や低温乾燥だけでは十分といえない理由
  • 厚生労働省が示す中心温度と加熱時間
  • 安全性に配慮したジビエペットフードの選び方
  • 現役猟師が捕獲段階から行うべき衛生管理

この記事では、三重県伊賀市を拠点に狩猟と犬用ペットフードの製造・販売に取り組む「獣道ラボ」が、厚生労働省や農林水産省などの公的資料をもとに、ジビエドッグフードの寄生虫・感染症リスクを詳しく解説します。

なお、獣道ラボはペットフード安全法に基づく愛玩動物用飼料の製造事業者届出を提出済みで、現在は鹿肉・猪肉を活用した犬用ペットフードを販売しています。人向け食肉については、食品衛生法に基づく食肉処理業の営業許可取得を目指し、専用施設を建設中です。

重要なお知らせ

現在販売しているのは犬用ペットフードです。人向け食肉は、食肉処理業の営業許可取得後に提供できる体制を整える予定です。営業許可取得後の鹿肉の仕入れや取引を検討している飲食店・宿泊施設・商品開発事業者の方からの事前相談は受け付けています。

ジビエドッグフードに寄生虫がいる可能性はある?

野生の鹿や猪には、寄生虫がいる可能性があります。これは一部の地域だけに限った話ではなく、野外で生活する動物を原料として利用する際に考えておかなければならない基本的なリスクです。

厚生労働省「ジビエ(野生鳥獣の肉)の衛生管理」では、シカやイノシシなどの野生鳥獣が、E型肝炎ウイルス、病原性大腸菌、サルモネラ属菌、カンピロバクター属菌、旋毛虫、肺吸虫などを保有していることが、調査によって明らかになっていると説明されています。

ただし、すべての鹿や猪が必ず寄生虫や病原微生物に感染しているわけではありません。大切なのは、「見た目が健康だから問題ない」と判断するのではなく、保有している可能性を前提に原料を選別し、衛生的に処理することです。

よくある疑問 結論
ジビエには必ず寄生虫がいる? 必ずではありませんが、保有している可能性を前提に管理する必要があります。
捕獲したばかりなら生でも安全? 鮮度と寄生虫・ウイルスの有無は別の問題です。
冷凍すれば寄生虫は死ぬ? 寄生虫の種類によって耐性が異なり、冷凍だけでは安全を保証できません。
ジャーキーなら安全? 乾燥しただけでは不十分です。中心部まで加熱されたかを確認する必要があります。
犬は生肉に強い? 犬にも感染や体調不良が起こる可能性があります。

野生の鹿や猪は衛生管理された家畜とは異なる

牛や豚、鶏などの家畜は、人が管理する環境で飼育されています。餌の内容、飼育場所、健康状態、投薬歴などが一定の管理下にあり、食肉として流通する際にも法律に基づく検査や衛生管理が行われます。

一方、野生の鹿や猪は山林を自由に移動し、自然界にある草木、木の実、昆虫などを食べて生活しています。ほかの野生動物やその排泄物、河川、沼、土壌などに触れる機会も少なくありません。

自然のなかで育ったことはジビエの魅力ですが、衛生面では家畜と同じように考えられない部分があります。野生鳥獣は捕獲前の健康状態や生育環境を継続的に確認できないため、寄生虫や病原微生物を保有している可能性を考慮しなければなりません。

鹿肉の栄養面や犬に与えるメリットについては、以下の記事で牛肉・鶏肉などと比較しながら詳しく解説しています。

寄生虫はなぜ野生動物に感染するのか

寄生虫は、自然界のさまざまな動物を介して生活環を維持しています。寄生虫の種類によって感染経路は異なりますが、汚染された水や餌を口にする、寄生虫を持った動物を食べる、中間宿主となる昆虫・魚類・甲殻類などを摂取するといった経路があります。

たとえば、ある動物の体内で幼虫として存在し、その動物を別の動物が食べることで次の成長段階へ進む寄生虫もいます。野生動物は人が用意した一定の飼料だけを食べているわけではないため、このような自然界の生活環へ組み込まれる可能性があります。

また、寄生虫に感染している動物が、必ずしも外見上の異常を示すとは限りません。捕獲時に元気そうに見えたり、肉の色や臭いに明らかな異常がなかったりしても、肉眼では確認できない寄生虫が存在する可能性は残ります。

寄生虫対策の基本

寄生虫を肉眼で探して取り除く方法だけでは、安全性を十分に確保できません。「寄生しているかもしれない」という前提で、個体選別・衛生的な解体・中心部までの加熱を組み合わせることが重要です。

「新鮮な鹿肉なら生でも安全」は誤解

ジビエについて、「捕獲したばかりで新鮮だから生でも大丈夫」と考える方がいるかもしれません。しかし、鮮度と寄生虫・ウイルスの有無は別の問題です。

捕獲後の肉を速やかに冷却することは、細菌の増殖を抑え、品質を保つうえで欠かせません。ただし、適切に冷却された新鮮な肉であっても、動物が生きているときから筋肉や臓器に存在していた寄生虫やウイルスまで消えるわけではありません。

厚生労働省も、生または加熱不十分な野生のシカ肉・イノシシ肉には、E型肝炎ウイルス、腸管出血性大腸菌、寄生虫などによる食中毒リスクがあると注意を呼びかけています。

したがって、捕獲から加工までの時間が短いことは品質管理上の強みになりますが、それだけを根拠に「寄生虫の心配がない」「生で与えられる」とは判断できません。

獣道ラボが重視する捕獲後の処理や鮮度管理については、以下の記事でも詳しく紹介しています。

犬は人間より生肉に強いから大丈夫?

犬の祖先や野生時代の食生活を理由に、「犬は人間より生肉に強い」と説明されることがあります。しかし、現代の家庭で暮らす犬に生のジビエを与えても安全だと断定する根拠にはなりません。

犬も病原性のある細菌や寄生虫の影響を受ける可能性があります。感染した場合には、嘔吐、下痢、血便、食欲不振、元気消失などの症状が現れることもあり、子犬、シニア犬、持病のある犬、免疫力が低下している犬では特に注意が必要です。

また、犬自身に目立った症状が出なくても、便や口の周囲、食器などを介して家庭内へ病原体を広げる可能性があります。小さな子ども、高齢者、妊婦、基礎疾患のある方が一緒に暮らしている家庭では、犬だけでなく家族全体の衛生面から考えることが大切です。

注意

「犬は生肉を消化できる」という話と、「寄生虫や病原微生物に感染しない」という話は同じではありません。愛犬が喜んで食べることだけで安全性を判断せず、生または加熱不十分なジビエを安易に与えないようにしましょう。

鹿肉・猪肉で注意したい代表的な寄生虫

野生鳥獣が保有する可能性のある寄生虫には、複数の種類があります。動物種、捕獲地域、生息環境などによって状況が異なるため、「鹿肉にはこの寄生虫だけ」「猪肉にはこの寄生虫だけ」と単純に区切ることはできません。

ここでは、ジビエを扱う際に知っておきたい代表的な寄生虫を紹介します。なお、以下はすべての鹿や猪への寄生を意味するものではありません。あくまでも、保有している可能性を考えて安全対策を行うための情報です。

寄生虫 主な特徴 注意点 基本対策
旋毛虫 筋肉内に寄生する線虫 冷凍に強い種類が知られています 冷凍を過信せず十分に加熱
住肉胞子虫 筋肉内に存在する原虫 肉眼だけでは確認できない場合があります 原料選別と中心部までの加熱
トキソプラズマ 動物の筋肉や組織に存在する原虫 肉汁や器具の衛生管理も必要です 生肉を避けて十分に加熱
肺吸虫 肺などへ寄生する吸虫 生活環に複数の宿主が関係します 肉・内臓を生で与えない
条虫類 種類によって中間宿主や寄生部位が異なります 猪などの肉・内臓で注意が必要です 加熱不十分な肉を避ける

旋毛虫(トリヒナ)

旋毛虫は、トリヒナとも呼ばれる線虫です。成虫は宿主の腸管内に寄生し、幼虫は筋肉内に移動して存在します。野生鳥獣肉を生または加熱不十分な状態で食べたことによる、人の旋毛虫食中毒も報告されています。

厚生労働省「ジビエによる食中毒の予防」では、旋毛虫は冷凍に強く、冷凍しても死なない場合があると注意喚起しています。そのため、「数日間冷凍したから大丈夫」「家庭用冷凍庫に入れたから生で与えられる」と考えるのは危険です。

寄生虫の低温耐性は種類や条件によって異なります。家庭用冷凍庫は扉の開閉や食品の詰め方によって温度が変動するうえ、肉の中心部まで短時間で凍結できるとは限りません。冷凍は保存方法として有効ですが、寄生虫対策として加熱の代わりにするべきではありません。

住肉胞子虫(サルコシスティス)

住肉胞子虫は、サルコシスティスとも呼ばれる原虫です。中間宿主となる動物の筋肉内にシストを形成し、その肉を終宿主となる別の動物が食べることで生活環が続きます。

鹿などの野生動物の筋肉から確認されることがありますが、すべてのシストを肉眼で発見できるとは限りません。見た目に異常がない部分だけを選んだとしても、それだけで安全性を保証できない点に注意が必要です。

原料となる個体や肉の状態を確認することは重要ですが、肉眼による確認だけに頼らず、中心部まで十分に加熱する工程と組み合わせる必要があります。

トキソプラズマ

トキソプラズマは、人を含む多くの恒温動物へ感染する可能性がある原虫です。感染した動物の筋肉や組織に存在する場合があり、生または加熱不十分な肉の取り扱いでは注意が必要です。

トキソプラズマについては、犬への影響だけでなく、肉を扱う飼い主や同居家族の衛生管理も考えなければなりません。特に妊婦や免疫機能が低下している方がいる家庭では、生肉の肉汁をほかの食品や食器へ付着させないよう、より慎重な対応が求められます。

生肉を触った手で冷蔵庫の取っ手や蛇口、犬用食器などに触れると、家庭内へ汚染を広げる原因になります。肉そのものを加熱するだけでなく、手洗い、器具の使い分け、作業台の洗浄・消毒まで含めて対策しましょう。

ウェステルマン肺吸虫などの吸虫

吸虫は、種類によって肝臓、肺、腎臓など、さまざまな部位へ寄生します。第一中間宿主、第二中間宿主、終宿主など、複数の生物が生活環に関係するものもあります。

野生鳥獣は自然界で多様な餌を口にし、河川や泥などにも接触します。そのため、吸虫を含む寄生虫リスクを家庭で種類ごとに判別し、安全な部分だけを選び分けることは現実的ではありません。

特に内臓は、筋肉とは異なる病変や寄生虫が見つかる可能性があります。見慣れていない人が自己判断で「きれいに見えるから大丈夫」と考え、生の内臓を犬に与えることは避けてください。

有鉤条虫などの条虫類

条虫類には多くの種類があり、動物種や寄生部位、感染経路が異なります。猪などの野生動物を介するものもあるため、肉だけでなく内臓を取り扱う際にも注意が必要です。

寄生虫の名称をすべて覚えることよりも、野生肉には複数の寄生虫が存在する可能性があり、家庭で完全に見分けるのは難しいと理解することが大切です。出所の分からない肉や、衛生的な処理状況を確認できない肉を犬に与えないようにしましょう。

猟師からのポイント

寄生虫対策は「見つけた虫を取り除けば終わり」ではありません。捕獲した個体の状態、内臓の異常、搬送時間、解体時の汚染、加熱工程まで確認して、疑わしい個体や部位を使用しない判断が重要です。

寄生虫だけではない|ジビエで注意したい細菌・ウイルス

ジビエドッグフードで注意したいのは、寄生虫だけではありません。野生鳥獣は、細菌やウイルスを保有している可能性もあります。

また、動物が生きている間から保有していた病原体だけでなく、捕獲後の解体や加工中に肉が汚染されることもあります。特に胃や腸を傷つけると、消化管内容物が肉へ付着し、細菌汚染を広げる原因になります。

病原体 主な注意点 必要な対策
E型肝炎ウイルス シカ・イノシシ肉を介した人への感染事例があります 中心部まで加熱し、血液や肉汁にも注意
サルモネラ属菌 犬猫用ジャーキーから検出された事例があります 加熱と加熱後の再汚染防止
カンピロバクター 消化管内容物や生肉から汚染が広がる可能性があります 器具の使い分けと手洗い
腸管出血性大腸菌 野生鳥獣肉からも検出されています 中心部までの加熱と二次汚染防止
オーエスキー病ウイルス 特に野生猪の生肉・内臓に注意が必要です 犬猫へ生・加熱不十分な猪肉を与えない

E型肝炎ウイルス

E型肝炎ウイルスは、人に急性肝炎を引き起こすウイルスです。厚生労働省は、生または加熱不十分なシカ肉・イノシシ肉を食べることによる感染リスクを注意喚起しています。

ここで注意したいのは、E型肝炎を犬の代表的な感染症として説明しないことです。ジビエドッグフードを扱う記事では、飼い主や製造者が生肉、血液、肉汁を扱う際の公衆衛生上のリスクとして取り上げるのが適切です。

手に切り傷がある状態で血液や肉汁へ触れたり、生肉を切った包丁やまな板を十分に洗浄せず人用食品へ使用したりすると、家庭内で汚染を広げる可能性があります。使い捨て手袋の使用、作業前後の手洗い、器具の洗浄・消毒を徹底しましょう。

サルモネラ属菌

サルモネラ属菌は、動物の腸管などに存在する可能性がある細菌です。生肉や消化管内容物から原料、器具、作業台へ汚染が広がることがあります。

ジビエに限らず、国内で加工された犬猫用の鶏ささみジャーキーからサルモネラが検出された事例もあります。因果関係が確定していない部分はあるものの、その製品を与えられた複数の犬猫で、嘔吐、下痢、血便、死亡などが報告されました。

この事例からも、「ジャーキーだから安全」「乾いているから菌はいない」とは限らないことがわかります。原料を十分に加熱するだけでなく、加熱後に生肉用のトレー、包丁、手袋などから再び汚染されないよう管理する必要があります。

農林水産省は、ジビエペットフードの製造管理例として、出荷前に微生物、特にサルモネラ菌を検査することを挙げています。詳しくは農林水産省「野生獣肉のペットフードについて」で確認できます。

カンピロバクター

カンピロバクターは、動物の消化管内などに存在する可能性がある細菌です。解体時に胃や腸を傷つけ、内容物が肉へ付着すると、汚染が広がる原因になります。

少量の肉汁が付いただけでも、包丁、まな板、トレー、手袋、作業台などへ汚染が拡大する場合があります。加熱済みの商品を生肉用の器具で扱えば、せっかく加熱しても再び汚染されるかもしれません。

原料を扱う区域と加熱後の商品を扱う区域を分ける、生肉用と加熱後用の器具を色分けするなど、誰が作業しても間違いにくい仕組みを整えることが重要です。

腸管出血性大腸菌

腸管出血性大腸菌は、代表的なものとしてO157、O26、O111などが知られています。牛などの家畜だけでなく、野生鳥獣肉からも検出されているため、ジビエを扱う際にも注意が必要です。

肉の表面だけを炙った状態や、中心部が生のまま残る加熱方法では、十分なリスク低減にならない可能性があります。厚みのある肉や骨付き肉、スジ肉などは、見た目だけで内部の温度を判断しないことが大切です。

人が食べるジビエについて、厚生労働省は肉の中心温度を75℃で1分間以上、またはこれと同等以上の加熱効果を有する方法で加熱するよう案内しています。具体的な加熱温度、乾燥との違い、中心温度計の使い方については中盤で詳しく解説します。

猪肉で特に注意したいオーエスキー病

猪肉を犬や猫へ与える場合は、オーエスキー病にも注意しなければなりません。オーエスキー病は豚や猪などが関係するウイルス感染症で、犬や猫が感染して発症すると、非常に危険な経過をたどる可能性があります。

農林水産省も、野生獣肉、特にイノシシを使用したペットフードについて、十分な加熱が必要だと注意喚起しています。生の猪肉や内臓、加熱状態を確認できない自家製品を犬へ与えるのは避けましょう。

猪肉は生で与えない

犬が野生猪の肉を食べる場合、寄生虫や細菌だけでなく、オーエスキー病も考える必要があります。「犬は野生動物の肉を食べられるはず」と判断せず、中心部まで十分に加熱された犬用商品を選びましょう。

豚熱とオーエスキー病を混同しない

野生猪に関係する感染症として、豚熱という名称を聞いたことがある方も多いでしょう。豚熱とオーエスキー病は別の感染症です。

豚熱は豚や猪の病気であり、人や犬には感染しません。ただし、野生猪の捕獲、運搬、肉の移動などについては、感染拡大を防ぐための防疫上のルールがあります。捕獲地域が豚熱感染確認区域に含まれる場合は、農林水産省や自治体が定める手引き・指示に従わなければなりません。

一方、オーエスキー病は犬や猫が感染・発症する可能性があるため、生または加熱不十分な猪肉を与えないことが重要です。それぞれの感染症について、「犬に感染するか」と「防疫上の取り扱いが必要か」を分けて理解しましょう。

命を活かすためにも安全性を最優先に

獣道ラボでは、有害鳥獣として捕獲された鹿や猪を単に廃棄するのではなく、犬用ペットフードとして有効活用しています。ただし、命を無駄にしないことと、疑わしい個体まですべて商品化することは同じではありません。安全性に問題があると判断した個体や部位を使用しないことも、製造者の大切な責任です。

獣道ラボを立ち上げた理由を読む

次の中盤パートでは、「冷凍すれば寄生虫は死滅するのか」「低温乾燥や天日干しだけで安全なのか」という疑問に答えながら、厚生労働省が示す中心温度75℃・1分間以上の正しい意味、乾燥機の設定温度との違い、加熱後の二次汚染対策を詳しく解説します。


ジビエの寄生虫は冷凍すれば死滅する?

「鹿肉や猪肉を一定期間冷凍すれば、寄生虫は死滅する」と考えている方もいるでしょう。しかし、冷凍だけですべての寄生虫、細菌、ウイルスを死滅させられるわけではありません。

冷凍には、食材の温度を下げて細菌の増殖を抑え、品質の低下を遅らせる役割があります。ただし、冷凍保存と加熱殺菌は目的が異なります。凍結中に活動が抑えられていた微生物が、解凍後に再び増殖する可能性もあるため注意が必要です。

冷凍について先に結論

  • 冷凍は主に保存のための工程です
  • すべての寄生虫や病原体が死滅するわけではありません
  • 旋毛虫には冷凍に強い種類が知られています
  • 家庭用冷凍庫は温度が変動する場合があります
  • 冷凍を中心部までの加熱の代わりにしてはいけません

冷凍は万能な殺菌方法ではない

冷凍すると、細菌の増殖速度は大幅に低下します。しかし、低温によって活動が抑えられているだけで、生き残っている細菌もあります。肉を解凍して温度が上昇すると、残っていた細菌が再び増殖する可能性があります。

寄生虫についても、種類、発育段階、冷凍温度、冷凍期間、肉の厚さなどによって影響が異なります。「マイナス温度で何日間保存すれば、どのようなジビエでも安全になる」という単純なルールにはできません。

とくに家庭用冷凍庫は、扉の開閉回数、食品の詰め方、設置環境などによって庫内温度が変動します。冷凍庫へ入れた時刻と、肉の中心部まで凍結した時刻も同じではありません。

旋毛虫は冷凍しても死滅しない場合がある

前半で紹介した旋毛虫(トリヒナ)は、冷凍を過信してはいけない代表的な寄生虫です。厚生労働省は、旋毛虫について「冷凍に強いので、冷凍しても死にません」と注意を呼びかけています。

そのため、冷凍保存した鹿肉や猪肉であっても、生または加熱不十分な状態で犬に与えるべきではありません。冷凍は鮮度保持のために活用し、安全対策の中心は肉の内部までの十分な加熱と考えましょう。

「冷凍した生肉なら安心」は危険

家庭用冷凍庫で保存したことだけを理由に、ジビエを犬へ生で与えないでください。冷凍の有無にかかわらず、野生鳥獣肉は中心部まで十分に加熱することが基本です。

解凍時のドリップと温度上昇にも注意する

冷凍肉を解凍すると、肉から赤い液体であるドリップが出ます。このドリップには肉由来の成分だけでなく、原料に付着していた細菌などが含まれている可能性があります。

ドリップが冷蔵庫内のほかの食品、棚、容器、犬用食器などへ付着すると、二次汚染につながります。解凍時は肉を密閉容器や袋に入れ、ほかの食品から離して冷蔵庫内で解凍しましょう。

室温で長時間解凍すると、肉の表面温度が先に上がり、中心部が凍っている間にも表面で細菌が増殖する可能性があります。電子レンジで解凍する場合も加熱むらが生じやすいため、解凍後は速やかに調理することが大切です。

農林水産省が公開しているジビエペットフードの製造管理例では、解凍時にドリップが多い原料や異臭がある原料を使用しないことが示されています。詳しくは農林水産省「野生獣肉のペットフードについて」をご確認ください。


天日干し・低温乾燥だけで寄生虫対策はできる?

鹿肉ジャーキーや猪肉ジャーキーは、水分が少なく、硬く乾燥しているため、一見すると安全性が高いように感じられます。しかし、肉が乾燥していることと、寄生虫や病原微生物が十分に低減されていることは同じではありません。

とくに注意したいのが、「長時間乾燥させたから安全」「フードドライヤーを高い温度に設定したから大丈夫」という判断です。乾燥機内の温度と、肉の中心部の温度には差が生じる場合があります。

乾燥と加熱は目的が異なる

乾燥は、肉に含まれる水分を減らし、微生物が増殖しにくい状態にするための工程です。一方の加熱は、原料に存在する可能性のある寄生虫や病原微生物を低減するために行います。

十分に乾燥させることで保存性を高められる場合はありますが、乾燥だけですべての病原体が死滅するわけではありません。また、表面が硬く乾いていても、厚い部分や骨の周囲に水分が残っている可能性があります。

工程 主な目的 注意点
冷凍 保存・品質低下の抑制 すべての寄生虫や細菌を死滅させる工程ではありません
加熱 寄生虫・病原微生物の低減 肉の中心温度と保持時間を確認します
乾燥 水分を減らし保存性を高める 乾燥機の設定温度だけで安全性を判断できません
包装・保管 品質維持と再汚染防止 加熱後の手指、器具、包装資材を衛生管理します

乾燥機の設定温度と肉の中心温度は同じではない

フードドライヤーやオーブンに表示される温度は、機械内部の空気や温度センサー周辺の温度です。そこへ入れたすべての肉の中心部が、表示された温度へ同時に到達するわけではありません。

肉の厚さ、形、脂肪量、骨の有無、並べる位置、トレーの段数、投入量、風の流れなどによって、温まり方には差が出ます。同じ厚さに見える肉でも、乾燥機の中央と端、上段と下段で中心温度が異なる可能性があります。

たとえば乾燥機を75℃に設定しても、厚い肉の中心部がすぐに75℃へ達するとは限りません。反対に、表面だけが早く乾燥して硬くなることで、内部の状態を見た目から判断しにくくなる場合もあります。

重要な違い

乾燥機の設定温度が75℃であることと、肉の最も加熱されにくい部分が75℃へ到達し、その状態を1分以上保ったことは同じではありません。確認すべきなのは機械の表示だけではなく、実際の肉の中心温度です。

厚いスジ肉・骨付き肉は加熱むらに注意

肉付きの骨、厚みのあるスジ肉、肩甲骨、レッグボーンなどは、薄切りのジャーキーとは熱の伝わり方が異なります。とくに骨の周囲や肉が重なっている部分は、中心部まで熱が届くのに時間がかかります。

すべての商品を同じ時間だけ加熱・乾燥するのではなく、部位、厚さ、重量、骨の有無に応じた工程管理が必要です。最も厚く、最も加熱されにくい部分を基準にして、中心温度を確認しなければなりません。

また、骨付きおやつでは衛生面に加え、犬の大きさ、噛む力、歯の状態、丸のみの危険性なども考慮します。愛犬の体格に合わない骨を与えたり、飼い主が見ていない場所で長時間与えたりしないようにしましょう。

電子レンジ・炙り・低温燻製にも加熱むらがある

電子レンジは短時間で食品を温められますが、食品の形や置く位置によって加熱むらが生じやすい方法です。表面の一部が熱くなっていても、中心部や肉が重なった場所が十分な温度へ到達していない可能性があります。

表面をバーナーなどで炙る方法も、肉の内部にいる可能性がある病原体への対策としては不十分です。外側に焼き色が付いていても、中心部が生のまま残っている場合があります。

燻製も、温度帯によって熱燻・温燻・冷燻などに分かれます。香りや保存性を高める工程として用いられますが、低温で燻しただけでは十分な加熱にならない可能性があります。どの方法を使う場合でも、肉の中心部が必要な温度へ到達したかを確認することが重要です。

獣道ラボの無添加ジャーキーに対する考え方や製法については、以下の記事もあわせてご覧ください。

厚生労働省が示すジビエの安全な加熱基準

ジビエの加熱基準について、最も重要なのが「中心温度」と「保持時間」です。厚生労働省は、人が食べるジビエについて、肉の中心温度を75℃で1分間以上、またはこれと同等以上の加熱効果を有する方法で加熱するよう案内しています。

この数値は、肉の表面温度でも、オーブンや乾燥機に表示された設定温度でもありません。肉のなかで最も温まりにくい中心部分が75℃へ到達し、その状態で1分間以上加熱されることを意味します。

厚生労働省が案内する食用ジビエの加熱目安

中心温度75℃で1分間以上

または、これと同等以上の加熱効果を有する方法

根拠は厚生労働省「ジビエによる食中毒の予防」および厚生労働省「ジビエ(野生鳥獣の肉)の衛生管理」で確認できます。

75℃は肉の中心部で測る

肉を加熱すると、表面から内部へ少しずつ熱が伝わります。薄切り肉は比較的早く中心部まで温まりますが、厚切り肉、塊肉、骨付き肉などは中心部の温度上昇に時間がかかります。

そのため、表面に十分な焼き色が付いたことや、肉の外側が硬く乾燥したことだけでは、中心部まで加熱できたか判断できません。最も厚い部分、肉が重なった部分、骨の周辺など、加熱されにくい場所を測る必要があります。

「1分間」は75℃へ到達してから数える

中心温度計が一瞬だけ75℃を表示した時点で、直ちに加熱を終了するという意味ではありません。中心部が75℃以上に達した状態を、1分間以上保つ必要があります。

測定中に温度計を動かすと、先端が別の場所へ移動し、表示温度が変わることがあります。最も温度が低い場所を探し、その部分が基準へ達していることを確認しましょう。

75℃・1分は人向け食用ジビエの公的な加熱目安

ここで、ペットフードと人向け食肉の基準を混同しないことが大切です。中心温度75℃・1分以上という数値は、厚生労働省が人の食用ジビエについて示している加熱目安です。

一方、農林水産省が公開するジビエペットフードの資料では、一律の温度・時間ではなく、寄生虫や細菌などの感染症リスクに配慮して「肉の中心部まで十分加熱」することが示されています。

製造する商品の厚さ、形状、水分量、骨の有無、使用設備などによって加熱条件が異なるため、事業者は自社の製品と設備に合わせて工程を管理する必要があります。75℃・1分は重要な安全管理上の目安ですが、異常個体の除外や加熱後の再汚染防止を含め、すべての工程を組み合わせて考えなければなりません。

正確な理解

「E型肝炎ウイルスだけは何℃」「すべての寄生虫が必ず75℃で完全にゼロになる」と病原体ごとに断定するのではなく、公的な食用ジビエの加熱目安として、中心温度75℃・1分以上または同等以上を紹介します。

中心温度計の正しい使い方

中心温度を確認するには、食品用の中心温度計を使用します。家庭で手作りする場合も、見た目や勘だけに頼るより、実際の温度を数値で確認できるため安心です。

中心温度を測る5つのポイント

  1. 肉の最も厚い部分へ差し込む
  2. 温度計の先端を骨や金属トレーへ当てない
  3. 複数の場所・複数の製品を測る
  4. 75℃へ到達した後の保持時間を確認する
  5. 使用前後に温度計を洗浄・消毒する

温度計の先端が骨やトレーへ触れると、肉そのものではなく、接触した物の温度を測ってしまう可能性があります。肉の中心へ適切に差し込み、表示が安定するまで待ちましょう。

事業者が製造する場合は、測定日、製造ロット、商品名、測定場所、到達温度、保持時間、確認者などを記録すると、工程の振り返りや改善に役立ちます。

加熱だけでは防げないジビエペットフードのリスク

十分な加熱は、寄生虫や病原微生物のリスクを低減するために欠かせません。しかし、加熱さえすれば、どのような原料を使っても安全になるわけではありません。

病気が疑われる個体、腐敗が進んだ肉、化学物質などに汚染された原料、鉛弾や金属片が残っている肉などは、加熱しても問題を解決できない場合があります。捕獲から出荷まで、複数の対策を組み合わせることが重要です。

異常個体を原料に使用しない

捕獲時には、動物の行動、外見、栄養状態などを確認します。足取りがおかしい、著しく痩せている、体表に大きな腫れや膿があるなど、明らかな異常が見られる個体は原料として使用すべきではありません。

解体時にも、内臓の色、形、大きさ、臭い、結節、膿瘍などを確認します。異常が一部に見える場合でも、全身性の病気を否定できなければ、肉を使用しない判断が必要です。

厚生労働省は、野生鳥獣の異常を確認するための資料としてカラーアトラスを公開しています。最新資料は厚生労働省「ジビエ(野生鳥獣の肉)の衛生管理」から確認できます。

疑わしい個体を使わないことも「命を大切にする」判断

捕獲した個体をすべて商品化することが有効活用ではありません。安全性に問題がある可能性を否定できない場合は、人や犬の健康を優先して使用しないことが大切です。

捕獲後は速やかに処理・冷却する

捕獲後の肉は時間の経過とともに品質が変化します。とくに気温の高い時期は、体温が残ったまま長時間放置すると、細菌が増殖しやすくなります。

個体の状態や捕獲方法を確認したうえで、適切に放血し、土、泥、落ち葉、被毛などによる汚染を防ぎながら搬送します。解体後は速やかに冷却し、保管温度を管理することが必要です。

ただし、山中で放血を行ったからといって、その時点でペットフードや人向け食肉として完成するわけではありません。捕獲現場で行う処置と、衛生的な設備内で行う解体・加工・包装を分けて考える必要があります。

消化管内容物による汚染を防ぐ

胃や腸には、多くの細菌が存在します。解体時に消化管を傷つけ、内容物が肉へ付着すると、汚染範囲を広げる原因になります。

汚染された部分へ水を大量にかけるだけでは、細菌を周囲へ広げてしまう可能性があります。汚染の状態を確認して該当部分を適切に除去し、ナイフや作業台などを洗浄・消毒することが重要です。

また、皮を剥ぐ際には、被毛や皮の外側に触れた手やナイフで、清潔な肉の表面へ触れないようにします。汚染される可能性のある工程と、清潔な肉を扱う工程を区分する考え方が必要です。

鉛弾・金属片・骨片を確認する

銃猟で捕獲された個体では、弾や金属片が肉に残っている可能性があります。農林水産省は、微生物汚染や鉛の残留を考慮し、銃弾の経路付近の肉を使用しないよう案内しています。

ペットフード安全法では、ペットフード中の鉛について上限値が設定されています。目視だけでなく、製造規模や商品に応じて金属探知機などを活用することも検討されます。

罠猟で捕獲した個体であっても、金属片以外の異物や骨片への注意は必要です。骨付き商品では鋭く割れた骨片がないかを確認し、犬の体格や噛む力に合った商品として提供しなければなりません。

加熱後の二次汚染を防ぐ

加熱によって原料の病原微生物を低減できても、その後に生肉用の包丁、トレー、手袋などへ触れれば、再び商品が汚染される可能性があります。

原料を扱う区域と加熱後の商品を扱う区域を分け、器具、容器、手袋、エプロンなどを使い分けることが重要です。作業者の移動によって汚染を持ち込まないよう、手洗いや履物の管理も行います。

農林水産省の資料でも、工場内での二次汚染を防ぐため、原料エリアと加熱後エリアを区分する製造管理例が示されています。製品を安全に届けるためには、加熱工程だけでなく、乾燥、冷却、包装、保管までの一貫した管理が欠かせません。

安全は一つの工程だけでは作れない

個体確認、放血、搬送、解体、冷却、加熱、乾燥、包装、保管のどこか一つでも管理が不十分なら、最終商品のリスクにつながります。ジビエペットフードは、捕獲から出荷までを一つの流れとして管理することが重要です。

ジビエペットフードと人向け食肉は適用される制度が違う

鹿肉や猪肉を取り扱う場合、「犬用ペットフードとして製造・販売する場合」と「人が食べる食肉として処理・販売する場合」では、適用される法律や必要な手続きが異なります。

ペットフードの製造事業者として届出を行っていても、その届出だけで人向け食肉を処理・販売できるわけではありません。反対に、人向けの食肉処理施設で扱った肉であっても、犬猫用ペットフードとして製造・販売する場合には、ペットフードに関するルールを守る必要があります。

ペットフードにはペットフード安全法が適用される

犬猫用ペットフードには、「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」、いわゆるペットフード安全法が適用されます。

ペットフードを製造する事業者は、法人・個人を問わず、事業開始前に届出が必要です。また、製造方法の基準、成分規格、表示、帳簿の備付けなどのルールを守らなければなりません。

農林水産省の資料では、ペットフードの製造方法の基準として「有害な物質を含み、若しくは病原微生物により汚染され、又はこれらの疑いがある原材料を用いてはならない」と示されています。

ペットフード安全法の詳しい内容は、農林水産省「ペットフードの安全関係」で確認できます。

人向け食肉の処理には食肉処理業の営業許可が必要

業として人が食べる野生鳥獣肉を解体・処理する場合は、食品衛生法に基づく食肉処理業の営業許可が必要です。施設についても、自治体が定める基準へ適合させなければなりません。

飲食店や販売店がジビエを仕入れる場合は、食肉処理業の営業許可を取得した施設で解体・処理された肉であることを確認する必要があります。これは犬用ペットフードの製造事業者届出とは別の制度です。

区分 主な制度 獣道ラボの現在の状況
犬用ペットフード ペットフード安全法に基づく製造事業者届出 届出提出済み・商品販売中
人向け食肉 食品衛生法に基づく食肉処理業の営業許可 営業許可取得に向けて専用施設を建設中

獣道ラボでは現在、愛玩動物用飼料の製造事業者届出を提出したうえで、鹿肉・猪肉を活用した犬用ペットフードを販売しています。同時に、将来的に人向け食肉を適切に処理・提供できるよう、三重県伊賀市で食肉処理施設の建設を進めています。

食肉処理業の営業許可を取得するまでは、人向け食肉の販売・提供は行いません。許可取得後の鹿肉の仕入れ、飲食店での活用、商品開発などを検討している事業者の方からの事前相談については、お問い合わせを受け付けています。

人向け鹿肉の取り扱いを検討している事業者様へ

獣道ラボでは、食肉処理業の営業許可取得後に、適切に処理した鹿肉などを飲食店・宿泊施設・商品開発事業者へ届けられる体制づくりを進めています。提供開始時期、予定する部位、取引量などについて知りたい方は、「食肉取引について」と記載のうえお問い合わせください。

※現在販売しているのは犬用ペットフードです。人向け食肉は、食肉処理業の営業許可取得後に提供を開始する予定です。

安全性に配慮したジビエドッグフードを選ぶ8つのポイント

市販されているジビエドッグフードは、原材料、製造方法、加熱条件、商品の形状などがそれぞれ異なります。「国産」「天然」「無添加」「猟師直送」といった言葉だけで安全性を判断するのではなく、製造者や商品の情報を総合的に確認することが大切です。

ここでは、鹿肉・猪肉を使ったドッグフードやジャーキーを購入するときに確認したい8つのポイントを紹介します。

購入前に確認したい8項目

  1. ペットフード製造事業者として届出をしている
  2. 名称・賞味期限・原材料などの表示がある
  3. 加熱済みか加熱用かが明確になっている
  4. 中心部まで加熱する工程が説明されている
  5. 原材料の動物種と原産国が分かる
  6. 捕獲から加工までの流れが確認できる
  7. 「無添加」だけを安全性の根拠にしていない
  8. 製造者と問い合わせ先が明確である

1.ペットフード製造事業者として届出をしている

犬猫用ペットフードを製造する事業者は、法人・個人を問わず、ペットフード安全法に基づく届出が必要です。購入前に、誰がどこで製造している商品なのかを確認しましょう。

ただし、製造事業者として届出をしていることは、国が個々の商品について安全性や品質を認証したという意味ではありません。届出の有無に加えて、原料の選別、加熱、乾燥、包装、保管などの管理状況も確認することが重要です。

2.名称・賞味期限・原材料などの表示がある

ペットフード安全法に基づく表示基準では、販売用の犬猫用ペットフードに、次の5項目を日本語で表示することが義務付けられています。

表示項目 確認する内容
名称 犬用・猫用など、用途が分かるか
賞味期限 未開封で品質を保てる期限が表示されているか
原材料名 鹿肉・猪肉など、使用した原材料が分かるか
原産国名 最終加工工程を行った国が表示されているか
事業者名・住所 責任を負う事業者と所在地が確認できるか

このほか、商品の保存方法、開封後の取り扱い、対象となる犬の大きさ、与え方なども確認します。表示が極端に少なく、製造者や連絡先が分からない商品は避けたほうがよいでしょう。

3.加熱済みか加熱用かが明確になっている

ジビエペットフードには、袋を開けてそのまま与えられる加熱済み商品と、飼い主が加熱してから与えることを前提とした原料があります。見た目だけでは区別できない場合があるため、商品表示や販売ページを確認しましょう。

「加熱用」と表示された鹿肉や猪肉は、そのまま犬へ与えてはいけません。中心部まで十分に加熱し、生肉に触れた器具や手指から加熱後の肉へ病原体を移さないよう注意します。

4.中心部まで加熱する工程が説明されている

鹿肉ジャーキーを選ぶときは、「長時間乾燥」「低温乾燥」という説明だけでなく、原料となる肉の中心部まで加熱する工程があるかを確認しましょう。

前述したとおり、乾燥機の設定温度と肉の中心温度は同じではありません。商品の厚さ、骨の有無、投入量などによって熱の伝わり方が変わるため、温度管理に対する製造者の考え方が重要です。

なお、製造方法の詳細には事業者独自のノウハウが含まれる場合があります。すべての数値が公開されていなくても、問い合わせた際に「加熱済みか」「そのまま与えられるか」といった基本的な質問へ回答できる事業者を選びましょう。

5.原材料の動物種と原産国が分かる

「ジビエ」とだけ書かれていても、鹿、猪、熊など、使用されている動物種によって注意するべき点が異なります。鹿肉なのか猪肉なのか、複数の肉を混ぜているのかを確認してください。

猪肉の場合は、寄生虫や細菌に加えて、犬や猫に危険なオーエスキー病にも注意が必要です。生または加熱不十分な猪肉・内臓を与えず、中心部まで十分に加熱された商品を選びましょう。

6.捕獲から加工までの流れが確認できる

ジビエペットフードでは、加工工場内の衛生管理だけでなく、捕獲時の個体確認、放血、搬送、解体、冷却なども品質に関係します。

捕獲地域、原料の受け入れ基準、異常個体を使用しない方針などが説明されていると、製造者がどの範囲まで原料を把握しているか判断しやすくなります。

現役猟師が捕獲から加工まで関わる獣道ラボの鮮度管理については、以下の記事で詳しく紹介しています。

7.「無添加」だけを安全性の根拠にしていない

保存料、着色料、香料などを使用しない無添加商品は、余計なものを避けたい飼い主にとって魅力的な選択肢です。ただし、無添加であることと、寄生虫・細菌への対策ができていることは別の話です。

無添加でも加熱が不十分なら病原体が残る可能性があります。反対に、中心部まで加熱されていても、包装前に再汚染されたり、保存状態が悪かったりすれば、商品の品質は低下します。

「天然だから安全」「無添加だから寄生虫はいない」と判断せず、原料選別、加熱、乾燥、包装、賞味期限、保存方法を総合的に確認しましょう。

8.製造者と問い合わせ先が明確である

犬の体格に合う硬さ、骨付き商品の与え方、アレルギー、開封後の保存方法など、購入前に確認したいことが出てくる場合があります。製造者の名称、住所、電話番号、問い合わせフォームなどが明確な商品を選びましょう。

万が一、異臭、カビ、袋の膨張、異物などを見つけた際にも、製造者へ連絡できることが重要です。異常を感じた商品は犬へ与えず、パッケージ、賞味期限、製造ロットなどが分かる状態で保管してください。

家庭で鹿肉・猪肉を犬に与えるときの注意点

鹿肉や猪肉を家庭で調理して犬へ与える場合は、購入先だけでなく、家庭内での解凍、調理、保存方法にも注意が必要です。

適切に処理された原料を購入しても、常温で長時間放置したり、生肉用の器具から加熱後の肉へ汚染を移したりすれば、食中毒リスクを高める可能性があります。

家庭で守りたい7つのルール

  • 出所や処理状況の分からない肉を与えない
  • 生の鹿肉・猪肉・内臓をそのまま与えない
  • 食用ジビエの目安を参考に中心部まで十分加熱する
  • 人用と犬用、生肉用と加熱後用の器具を使い分ける
  • 解凍時のドリップをほかの食品へ付着させない
  • 調理後の肉や食べ残しを室温へ長時間放置しない
  • 犬の体調に異変があれば獣医師へ相談する

出所の分からないジビエ肉を与えない

知人から譲り受けた肉や、自家消費用として処理された肉など、捕獲日、動物種、処理方法、保管状態が確認できない肉を、安易に犬へ与えるのは避けましょう。

「猟師から直接もらった」という事実だけで、ペットフードとして安全に加工されているとは限りません。ペットフードとして販売されている商品については、製造者、原材料、賞味期限などの表示を確認してください。

生の鹿肉・猪肉・内臓をそのまま与えない

筋肉だけでなく、レバー、心臓、肺などの内臓にも寄生虫や病原体が存在する可能性があります。見た目がきれいでも安全性は判断できません。

とくに野生猪の生肉や内臓は、オーエスキー病のリスクを考慮する必要があります。犬が欲しがっても、その場で切り分けて生のまま与えることは避けてください。

生肉用と加熱後用の器具を分ける

生肉に使用した包丁やまな板で、加熱後の肉を切ると、病原微生物を再び付着させる可能性があります。できれば器具を分け、色や保管場所を変えて間違いを防ぎましょう。

器具を共用する場合は、生肉を扱った後に洗剤でよく洗い、材質に合った方法で消毒します。布巾やスポンジも汚染源になる可能性があるため、使用後の管理が必要です。

初めて与えるときは少量から始める

適切に加熱された鹿肉であっても、初めて食べる犬には少量から与えます。急に多量を与えると、食べ慣れていない食材や脂質量の変化などによって、便がゆるくなる場合があります。

食物アレルギーは鹿肉でも起こる可能性があります。「鹿肉は低アレルゲンだから、どの犬にも絶対にアレルギーが起こらない」とは限りません。皮膚のかゆみ、嘔吐、下痢などの異変があれば与えるのを中止し、獣医師へ相談してください。

愛犬に鹿肉を与える際の量や骨付きおやつの注意点については、以下の記事も参考にしてください。

嘔吐・下痢・元気消失があれば獣医師へ相談する

ジビエを食べた後に、繰り返す嘔吐、激しい下痢、血便、発熱、ふらつき、震え、元気消失などが見られた場合は、自己判断で様子を見続けず動物病院へ相談してください。

受診時には、食べた商品のパッケージ、原材料、与えた量、与えた時刻、加熱方法、残っている商品などの情報を伝えると診察の助けになります。残った商品はすぐに捨てず、犬やほかの動物が触れないよう密封して保管しましょう。

この記事は診断・治療を目的としたものではありません

犬の症状、持病、アレルギー、療法食との併用などについては、かかりつけの獣医師へ相談してください。とくに子犬、シニア犬、妊娠中の犬、治療中の犬へ新しい食品を与える場合は慎重な判断が必要です。

猟師だから伝えたい「新鮮さ」より大切な安全管理

捕獲から加工までの時間を短くし、肉の鮮度を保つことは大切です。しかし、現場で実際に鹿や猪を扱う猟師だからこそ、「新鮮」という言葉だけでは安全性を説明できないと考えています。

安全なジビエ活用は、動物を捕獲した瞬間から始まります。捕獲前後の個体の様子、外傷、放血、搬送時間、気温、内臓の状態、解体時の汚染など、複数の情報を確認しなければなりません。

捕獲した瞬間から衛生管理は始まっている

捕獲した個体は、まず外見や行動、栄養状態などを確認します。その後、適切に放血し、土、泥、落ち葉、被毛などによる汚染をできる限り防ぎながら搬送します。

とくに気温の高い時期は、個体の体温が高い状態で長時間放置すると品質が低下しやすくなります。捕獲場所から処理場所までの距離や時間も考慮し、利用に適さないと判断した場合は商品化しません。

使わない個体を判断することも猟師の責任

有害鳥獣として捕獲された鹿や猪をできる限り有効活用することは、獣道ラボが大切にしている考え方です。しかし、捕獲したすべての個体や部位を無理に商品化することが、命を活かすことではありません。

外見や内臓に異常がある、腐敗や汚染が疑われる、捕獲から処理までに時間がかかり過ぎたなど、安全性に問題がある可能性を否定できない場合は使用しない判断が必要です。

「もったいない」という理由で疑わしい原料を使用すれば、愛犬や飼い主の健康を損なう可能性があります。利用できる個体を適切に見極め、安全な形へ加工して届けるところまでが、命に向き合う責任だと考えています。

有害鳥獣を地域資源へ変える

農作物や森林への被害を防ぐために捕獲された鹿や猪の多くは、食肉やペットフードとして利用されず、廃棄されてしまう場合があります。

適切に選別・処理できる個体を犬用ペットフードとして活用できれば、廃棄量の削減だけでなく、地域で捕獲された命を地域資源へ変えることにつながります。

ニホンジカによる農林業被害と捕獲後の課題については、以下の記事で詳しく解説しています。

獣道ラボのジビエペットフードについて

獣道ラボは、三重県伊賀市を拠点に、鹿肉・猪肉を活用した犬用ペットフードの製造・販売に取り組んでいます。

地域で捕獲された野生鳥獣の命を無駄にせず、愛犬に届けられる形へ変えることを目指しています。ただ商品を販売するだけでなく、野生肉に寄生虫や感染症のリスクがあることも隠さず、安全性に配慮した選び方や与え方を発信しています。

愛玩動物用飼料の製造事業者届出を提出済み

獣道ラボは、ペットフード安全法に基づく愛玩動物用飼料の製造事業者届出を提出し、現在、鹿肉・猪肉を使用した犬用ペットフードを販売しています。

届出を行うことは製造事業者として必要な手続きですが、届出だけで個々の商品の安全性が保証されるわけではありません。そのため、捕獲個体の状態、原料の取り扱い、加熱・乾燥、包装、保存など、実際の工程管理を大切にしています。

現在、犬用ジビエペットフードを販売中

鹿肉ジャーキー、スジ肉、骨付きおやつ、猪肉を活用した商品などを販売しています。愛犬の体格、年齢、噛む力に合う商品が分からない場合も、お気軽にご相談ください。

「無添加」と衛生管理を両立する

獣道ラボでは、素材そのものの魅力を活かした無添加ペットフードづくりを進めています。ただし、「添加物を使用しないこと」と「寄生虫や細菌への対策」は別々に管理しなければなりません。

無添加という言葉だけに頼らず、原料となる個体の確認、加熱、乾燥、包装までの工程を重視します。安全性に配慮したうえで、鹿肉や猪肉の部位ごとの特徴を活かすことが目標です。

獣道ラボの安全基準と無添加ジャーキーの考え方については、以下の記事をご覧ください。

人向け食肉の提供を目指して処理施設を建設中

獣道ラボでは、犬用ペットフードの製造・販売と並行して、食品衛生法に基づく食肉処理業の営業許可取得を目指し、三重県伊賀市で専用の食肉処理施設を建設しています。

ペットフード製造事業者としての届出と、人向け食肉を扱うための食肉処理業の営業許可は別の制度です。現在はまだ食肉処理業の営業許可取得前であるため、人向け食肉の販売・提供は行っていません。

施設が基準へ適合し、営業許可を取得した後は、適切に処理した鹿肉などを一般のお客様や飲食店へ届けられる体制を整える予定です。

鹿肉の仕入れ・商品開発を検討している事業者様へ

食肉処理業の営業許可取得後に、国産ジビエの仕入れを検討している飲食店、宿泊施設、食品加工・商品開発事業者の方からの事前相談を受け付けています。

お問い合わせフォームへ「食肉取引について」と記載し、希望する部位、予定数量、用途などをお知らせください。提供体制が整い次第、ご案内します。

※現在販売しているのは犬用ペットフードです。人向け食肉は、食肉処理業の営業許可取得後に提供を開始する予定です。

獣道ラボ運営者・津田修吾の取り組みがメディアで紹介されました

獣道ラボを運営する津田修吾は、三重県伊賀地域のニュースを発信する「伊賀タウン情報YOU」に掲載されました。

2025年5月8日に公開された「野生に挑む元ボクサー 大阪から伊賀の古民家へ 津田さん」では、元プロボクサーとしての経歴、海外生活、飲食・デリバリー事業、伊賀市への移住、築100年以上の古民家を自ら改修する様子などが紹介されています。

都市部での事業経験を経て伊賀の里山へ移住し、現在は狩猟、ペットフード製造、古民家改修、食肉処理施設の建設など、地域資源を活かすための活動を進めています。

メディア掲載|2025年5月8日

野生に挑む元ボクサー 大阪から伊賀の古民家へ 津田さん

元プロボクサーから事業経営、伊賀への移住、古民家再生へと続く挑戦が紹介されています。

伊賀タウン情報YOUの記事を読む

狩猟から地域資源の活用まで一貫して取り組む

野生鳥獣による農林業被害を減らすためには、捕獲が必要です。しかし、捕獲後の個体が十分に活用されず、廃棄されてしまうという別の課題もあります。

獣道ラボでは、捕獲だけで終わらせず、利用できる個体を犬用ペットフードとして届け、将来的には営業許可を取得した施設で人向け食肉としても提供できる体制を目指しています。

獣道ラボを立ち上げた経緯と、有害鳥獣の命をペットフードとして活用する理由については、以下の記事で詳しくお伝えしています。

ジビエドッグフードと寄生虫に関するよくある質問

最後に、ジビエドッグフード、鹿肉ジャーキー、寄生虫、加熱方法について、飼い主さんから寄せられやすい疑問へ回答します。

鹿肉には必ず寄生虫がいるのですか?

すべての鹿に必ず寄生虫がいるわけではありません。ただし、野生の鹿は飼育環境や健康状態が管理されていないため、寄生虫や病原微生物を保有している可能性を前提に処理する必要があります。

見た目や鮮度だけでは安全性を判断できません。個体選別、衛生的な解体、中心部までの加熱、加熱後の二次汚染防止を組み合わせることが大切です。

冷凍した鹿肉なら犬に生で与えられますか?

冷凍したことだけを理由に、生で与えるべきではありません。旋毛虫には冷凍に強い種類が知られており、冷凍だけですべての寄生虫や病原微生物を死滅させられるわけではないからです。

冷凍は保存方法として活用し、犬へ与える前に肉の中心部まで十分に加熱してください。

犬なら生の鹿肉を食べても大丈夫ですか?

犬にも、寄生虫や細菌などによる感染、嘔吐、下痢、血便などが起こる可能性があります。犬自身に症状がなくても、便や食器などを介して家庭内へ病原体を広げる可能性があるため、生のジビエは避けましょう。

猪肉を犬に与えても大丈夫ですか?

中心部まで十分に加熱された犬用商品であれば、商品の表示や与え方を守って与えられます。ただし、猪肉では寄生虫や細菌に加え、オーエスキー病への注意が必要です。

生または加熱不十分な猪肉・内臓は犬へ与えないでください。

鹿肉ジャーキーなら寄生虫の心配はありませんか?

ジャーキーであることだけでは安全性を判断できません。乾燥して硬くなっていても、肉の中心部が必要な温度へ達していなければ、十分な加熱になっていない可能性があります。

製造者、表示、加熱済みかどうか、保存方法などを確認してください。

フードドライヤーを75℃に設定すれば安全ですか?

フードドライヤーの設定温度が75℃でも、肉の中心部が同じ温度へ達しているとは限りません。肉の厚さ、置く位置、投入量、骨の有無などによって、中心温度に差が生じます。

食品用中心温度計を使用し、最も厚い部分が必要な温度へ達しているかを確認しましょう。

電子レンジで加熱すれば寄生虫対策になりますか?

電子レンジは部分的な加熱むらが生じやすいため、温めただけでは十分とはいえません。途中で肉の位置を変える、必要に応じて裏返すなどして、最も温まりにくい部分の中心温度を確認する必要があります。

中心温度75℃・1分で、すべての危険がなくなりますか?

中心温度75℃・1分以上または同等以上は、厚生労働省が人向けの食用ジビエについて示している重要な加熱目安です。ただし、どのような原料でも加熱すれば必ず安全になるという意味ではありません。

腐敗した肉、異常個体、鉛弾などの異物、加熱後の再汚染などは、加熱だけでは解決できません。捕獲から保管までの一貫した管理が必要です。

加熱すると鹿肉の栄養はすべて失われますか?

加熱によって一部の熱に弱い栄養素が変化する場合はありますが、たんぱく質やミネラルなどがすべて失われるわけではありません。栄養を残すことだけを優先して生肉を与え、感染症リスクを高めるのは適切とはいえません。

安全性を確保したうえで、犬の主食、間食、トッピングなど目的に合った量を与えましょう。

無添加の鹿肉ジャーキーなら安全ですか?

無添加であることと、寄生虫や細菌への対策が行われていることは別の問題です。保存料や着色料を使用していなくても、加熱が不十分であれば病原体が残る可能性があります。

無添加という表示に加えて、製造者、原料の由来、加熱工程、賞味期限、保存方法を確認してください。

獣道ラボでは人向けの鹿肉を購入できますか?

現在販売しているのは犬用ペットフードです。人向け食肉については、食品衛生法に基づく食肉処理業の営業許可取得を目指し、専用施設を建設しています。

営業許可取得後の鹿肉の購入、飲食店での仕入れ、商品開発などを検討している方は、事前に獣道ラボのお問い合わせフォームからご相談いただけます。

まとめ|ジビエドッグフードは中心部までの加熱と一貫した衛生管理で選ぼう

野生の鹿や猪は、家畜のように飼育環境や健康状態が管理されていないため、寄生虫、細菌、ウイルスなどを保有している可能性があります。

しかし、ジビエだから一律に危険なのではありません。利用できる個体を適切に選別し、捕獲、放血、搬送、解体、冷却、加熱、乾燥、包装、保管の各工程を衛生的に管理することで、リスク低減を図れます。

この記事の重要ポイント

  • 野生の鹿・猪には寄生虫や病原微生物が存在する可能性があります
  • 鮮度だけでは寄生虫やウイルスの有無を判断できません
  • 冷凍は保存方法であり、万能な寄生虫対策ではありません
  • 乾燥機の設定温度と肉の中心温度は同じではありません
  • 食用ジビエの加熱目安は中心温度75℃・1分以上または同等以上です
  • 異常個体や汚染された原料を加熱だけで安全にはできません
  • ペットフード製造の届出と食肉処理業の営業許可は別制度です
  • 加熱後の二次汚染を防ぐことも欠かせません

鹿肉ジャーキーや猪肉のおやつを選ぶときは、「無添加」「天然」「国産」といった言葉だけで判断せず、製造者、商品表示、原料の由来、加熱工程、保存方法などを確認しましょう。

獣道ラボは、ペットフード安全法に基づく愛玩動物用飼料の製造事業者届出を提出し、三重県伊賀市の里山で捕獲された鹿や猪を活用した犬用ペットフードを販売しています。

また、人向け食肉を適切に処理・提供できる体制を整えるため、食肉処理業の営業許可取得に向けた専用施設を建設中です。許可取得後の鹿肉の仕入れや商品開発を検討している事業者の方からの事前相談も受け付けています。

三重・伊賀の里山から

命を活かし、愛犬の楽しみへ

愛犬に合う鹿肉・猪肉のおやつを探している方は、犬の体格、年齢、噛む力などをお知らせください。食肉処理業の営業許可取得後の取引を検討している飲食店・宿泊施設・商品開発事業者の方も、お問い合わせフォームからご相談いただけます。

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※人向け食肉は、食肉処理業の営業許可取得後に提供を開始する予定です。