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【2026年最新】犬の歯磨きガムは安全?硬さに注意!歯石への効果と歯が折れる危険性を解説

「愛犬の歯石が気になるから、硬い歯磨きガムを噛ませたほうがよさそう」

「硬いガムなら、歯についた汚れをしっかり削り落としてくれるのでは?」

犬のデンタルケアを考えて、このように歯磨きガムを選んでいる飼い主さんもいるのではないでしょうか。

確かに、噛むことによる物理的な作用を利用したデンタルガムのなかには、歯垢(プラーク)や歯石(歯垢が石灰化したもの)の蓄積を抑える効果について評価を受けている製品があります。

しかし、ここで注意したいのが「硬ければ硬いほど歯に良いわけではない」という点です。

2026年に更新されたWSAVA(世界小動物獣医師会)のGlobal Dental Guidelinesでは、鹿角・蹄・ナイロンボーンなどの非常に硬いものについて、歯の破折(歯が欠けたり折れたりすること)のリスクが指摘されています。

また、Cornell University College of Veterinary Medicine(コーネル大学獣医学部)でも、犬の歯の破折は非常に硬いものを噛むことによって起こることが多いと説明されています。

犬の噛む力を測定した研究では、22頭の犬で13〜1,394N(ニュートン)という非常に幅広い数値が記録されました。つまり「犬は噛む力が強いから、硬いものを与えても大丈夫」とは単純にはいえません。

この記事でわかること

  • 犬の歯磨きガムに期待できる効果
  • 犬の噛む力はどのくらいなのか
  • 硬いガムで犬の歯が折れる理由
  • 鹿角・骨・蹄などで注意したいこと
  • 安全な硬さを判断する「爪テスト」
  • 犬の体格に合った歯磨きガムの選び方
  • 歯磨きガムを噛まない犬の口腔ケア

この記事では「犬 歯磨き ガム 安全」をテーマに、大学獣医学部やWSAVA、VOHC(Veterinary Oral Health Council)などの情報をもとに、安全なデンタルケアについて詳しく解説します。

※本記事は一般的な犬の口腔ケアに関する情報を提供するもので、診断や治療を目的としたものではありません。歯の破折、出血、口臭、歯のぐらつき、食欲低下などがある場合は、かかりつけの獣医師へご相談ください。

犬の歯磨きガムは安全?まず知っておきたい結論

結論からいうと、犬用の歯磨きガムそのものが危険というわけではありません。

大切なのは、愛犬に適した「硬さ・大きさ・形状・与え方」を選ぶことです。

歯磨きガムを選ぶ際に、特に注意したいポイントをまとめると次のようになります。

チェック項目 ポイント
硬さ 爪で押してへこませられないほど硬いものには注意
サイズ 犬の体重・口の大きさに適したものを選ぶ
丸飲み 一気に飲み込めるサイズは避ける
目的 「硬い歯石を削り落とす」目的で使用しない
与え方 使用方法を守り、噛んでいる間は状態を確認する

特に気をつけたいのが「硬いほど歯磨き効果が高そう」というイメージです。

硬いものを力いっぱい噛めば、歯に強い力が加わります。歯垢を落とすために与えたものが、かえって歯を傷めてしまっては本末転倒です。

適切な硬さ・サイズなら口腔ケアに活用できる

犬は人間のように自分で歯ブラシを持って歯を磨けません。そのため、飼い主による歯磨きがホームケアの基本となります。

一方、噛む動作を利用するデンタルガムも、適切な製品を選べば日々の口腔ケアを補助する選択肢になります。

VOHCでは、一定の基準を満たした犬用デンタル製品について「Plaque(歯垢)」「Tartar(歯石)」などの認証対象を明示しています。2026年時点でも、多数の犬用デンタルチューが認定製品として掲載されています。

ポイント

歯磨きガムを選ぶときは「硬そうだから効きそう」と感覚だけで判断するのではなく、安全な硬さ・犬に合ったサイズ・デンタルケアに関する客観的な評価などを確認しましょう。

出典:Veterinary Oral Health Council「Accepted Products」

「硬いほど歯石が取れる」とは限らない

犬の歯磨きガムについて、特に誤解しやすいのが「硬ければ硬いほど歯石を削れる」という考え方です。

そもそも「歯垢」と「歯石」は同じものではありません。

種類 特徴 ケア
歯垢(プラーク) 唾液由来の成分や細菌などからなる付着物 日々のブラッシングなどで除去する
歯石(Calculus/Tartar) 歯垢が唾液中のミネラルなどによって硬くなったもの 形成された歯石は動物病院での専門的な処置が必要

UC Davis School of Veterinary Medicine(カリフォルニア大学デービス校獣医学部)は、歯垢が除去されないと唾液中のミネラルによって硬化して歯石となり、一度歯石が形成されると専門的なクリーニングが必要と説明しています。

つまり、すでに硬く付着した歯石を家庭で硬いガムによって削り落とそうとする考え方はおすすめできません。

日々の歯磨きやデンタル製品は「歯石を力ずくで取る」ものではなく、歯垢を管理して歯石の蓄積を防ぐためのケアと考えるのが基本です。

出典:UC Davis School of Veterinary Medicine「Dental Home Care Instructions」

犬の歯磨きガムにはどんな効果が期待できる?

では、犬用の歯磨きガムにはまったく意味がないのでしょうか。

そうではありません。

デンタルガムには、犬が噛むときに歯と製品が接触することで、歯垢などの付着を物理的に抑えることを目的とした製品があります。

ただし、すべての「歯磨きガム」「デンタルガム」に同じ効果があると考えることはできません。

噛むことで歯垢の蓄積を抑えることが期待できる

UC Davis獣医学部では、活発に物を噛む犬は歯垢が蓄積しにくい傾向にあると説明しています。

また、2026年版WSAVA Global Dental Guidelinesでは、圧縮小麦を使用したデンタルチューやセルロースを配合したトリーツ、一部のローハイド製品などについて、口腔ケアへの有効性を支持する研究があるとしています。

つまり、適切なデンタルガムを噛むことには一定のメリットが期待できます。

しかし重要なのは、「よく噛めること」と「とにかく硬いこと」は別だという点です。

VOHC認定製品は一つの判断材料になる

犬用のデンタルケア商品を選ぶ際に知っておきたいのがVOHC(Veterinary Oral Health Council:獣医口腔衛生協議会)です。

VOHCの認定製品一覧では、それぞれの製品について「Plaque」「Tartar」または両方など、認められた対象が掲載されています。

2026年3月更新の犬用認定製品一覧には、デンタルフードだけでなく、食べられるデンタルチュー、歯磨き粉、水に添加するタイプ、フードに混ぜるパウダーなど幅広い口腔ケア製品が掲載されています。

歯磨きガム選びで迷ったら

パッケージの「デンタル」「歯磨き」という言葉だけで判断せず、VOHC認定の有無や、メーカーが示している試験・使用方法なども確認するとよいでしょう。

またVOHCは、チューやトリーツについて犬の体重に適したサイズをパッケージで確認することも案内しています。

出典:Veterinary Oral Health Council「Accepted Products」

すでについている硬い歯石をガムで取ろうとしない

ここは大切なので、もう一度確認しておきましょう。

歯磨きガムの目的を「すでに付着している硬い歯石を削り取ること」と考えないでください。

UC Davis獣医学部は、歯垢が硬化して歯石になった場合には専門的なクリーニングが必要としています。

特に、

  • 歯の表面に茶色や黄褐色の硬い付着物がある
  • 歯ぐきが赤い・腫れている
  • 口臭が強くなった
  • 歯がぐらついている
  • 口元を触るのを嫌がる
  • 硬いものを食べなくなった
  • 食事中に片側だけで噛む

といった変化がある場合は、家庭で硬いガムを噛ませて対処しようとせず、動物病院へ相談しましょう。

犬の噛む力はどのくらい?研究で測定された咬合力

「犬は骨を噛めるほど顎が強いのだから、硬いガムでも問題ないのでは?」

そう思う方もいるでしょう。

犬の「噛む力」を考えるうえで参考になる研究があります。

PubMedに収載されている犬の咬合力に関する研究では、体重7〜55kgの家庭犬22頭から101回の咬合力測定が行われました。

その結果は次のとおりです。

測定項目 結果
測定した犬 22頭
体重 7〜55kg
測定回数 101回
咬合力の範囲 13〜1,394N
平均 256N
中央値 163N
200N未満 測定の55%
400N未満 測定の77%

出典:PubMed「Measurement of bite force in dogs: a pilot study」

注意したいポイント

この研究結果をもとに「犬の噛む力は1,394N」と断定するのは適切ではありません。実測値には13〜1,394Nという非常に大きな幅があり、平均値は256Nでした。

犬種・体格・噛み方などによって噛む力は変わる

犬の咬合力は、すべての犬で同じではありません。

先ほどの研究でも、測定値は13Nから1,394Nまで大きく異なっています。

そのため、インターネットなどで見かける「犬の噛む力は○kg」「大型犬なら○○N」といった単一の数字だけで判断するのは避けたほうがよいでしょう。

犬の体格はもちろん、どの位置で噛むのか、そのときどの程度の力で噛んだのかなどによって測定値は変化します。

重要なのは正確な最大値を知ることではなく、犬には硬いものへ強い力を加えられる能力があり、その力が歯そのものにも加わるということです。

噛む力が強い犬だから硬いガムが安全とは限らない

顎の力が強い犬を見ると、「これだけ強く噛めるなら、硬いガムでも大丈夫」と考えたくなるかもしれません。

しかし、安全性を考える場合は逆の視点も必要です。

硬いものを強い力で噛めば、歯にも大きな負荷がかかります。

特に犬の上顎第4前臼歯など、硬いものを強く噛む際に使われる歯では破折が問題になることがあります。

そのため、歯磨きガムを選ぶ際には「うちの犬は噛む力が強いからもっと硬いものを」と考えるのではなく、歯に過度な負担をかけない硬さかを確認することが重要です。

硬すぎる歯磨きガムで犬の歯が折れることがある

歯磨きガムの安全性を考えるうえで、もっとも注意したいトラブルの一つが歯の破折です。

「犬の歯は丈夫だから簡単には折れない」と思われがちですが、獣医学の世界では硬いものを噛むことによる歯の破折が実際に問題として取り上げられています。

犬の「歯の破折」とは?

破折とは、外部から力が加わることで歯の一部が欠けたり、割れたり、折れたりすることです。

表面のエナメル質だけの損傷から、象牙質、さらに内部の歯髄まで達するものまで程度はさまざまです。

コーネル大学獣医学部によると、歯髄が露出する破折では痛みが生じる可能性があり、

  • 硬いおやつを嫌がる
  • 噛むおもちゃを避ける
  • 食事を食べようとしてやめる
  • 冷たい水を避ける

といった変化がみられることがあります。

さらに、慢性化した破折歯では感染や腫れ、痛みにつながる可能性もあります。

一方で、犬が明確な症状を示さず、口腔内の診察で偶然見つかる場合もあるとされています。

出典:Cornell University College of Veterinary Medicine「Risks from a fractured tooth」

非常に硬いものを噛むことは歯の破折の原因になる

コーネル大学獣医学部の歯科・口腔外科の解説では、犬の歯の破折について「非常に硬いものを噛むこと」が一般的な原因として挙げられています。

さらに2026年版WSAVA Global Dental Guidelinesでも、硬いデンタルトリーツについて歯の破折リスクが説明されています。

硬いもの=歯に良い、ではありません

歯垢を落とすために「できるだけ硬いものを噛ませる」という発想は避けましょう。硬すぎるものは、歯をきれいにする以前に歯そのものを傷める可能性があります。

出典:Cornell University College of Veterinary Medicine

出典:WSAVA「Global Dental Guidelines」

鹿角・蹄・骨・硬いナイロン製品には特に注意

自然素材だから安全、長持ちするから歯磨きに向いている、とは限りません。

2026年版WSAVA Global Dental Guidelinesでは、鹿角(antlers)・蹄(hooves)・ナイロンボーン(nylon bones)など非常に硬いデンタルトリーツでは歯の破折がリスクになると説明されています。

また、コーネル大学獣医学部も、歯を折ったり、破片による消化管トラブルにつながったりする可能性があるものとして、鹿角・蹄・骨を避けるよう案内しています。

獣道ラボからもお伝えしたいこと

鹿由来の素材であっても、「天然だから安全」「鹿のものならすべて犬の歯に良い」というわけではありません。

犬用のおやつを選ぶ際は、原材料だけでなく、硬さ・大きさ・犬の年齢・歯の状態・食べ方まで考えて選ぶことが大切です。

獣道ラボでは鹿を活用した犬用おやつを扱っていますが、だからこそ鹿角を含めた硬すぎる素材のリスクも正しく知っていただきたいと考えています。

長時間噛めることや壊れにくいことだけを基準に選ぶのではなく、愛犬の歯にとって無理のない硬さかを優先しましょう。

「ハサミで切れる?」より確認したい犬用ガムの安全な硬さ

犬用ガムの硬さについて調べていると、

「ハサミで切れないものは犬に与えないほうがいい」

という基準を見かけることがあります。

わかりやすい表現ではありますが、今回、獣道ラボで記事を作成するにあたり、大学獣医学部や2026年版WSAVA Global Dental Guidelinesなどを確認したところ、より明確に確認できたのは「爪でへこませられるか」を見る方法でした。

獣医歯科で使われる「爪テスト」を覚えておこう

コーネル大学獣医学部は、犬に与えるチュー用品について、多くの獣医歯科医が「thumbnail test(爪テスト)」を目安としていると説明しています。

方法は非常にシンプルです。

犬用ガムの「爪テスト」

爪を押し当てたときに、表面にへこみを作れるか確認する。

爪でへこませることができないほど硬いものは、犬の歯に負担をかける可能性があるため注意しましょう。

UC Davis獣医学部も同様に「fingernail test」を紹介しており、爪で押してへこみができるものを選ぶ目安としています。

さらに2026年版WSAVA Global Dental Guidelinesでも、過度に硬いトリーツを評価する方法の一つとして、爪でへこませられることが紹介されています。

出典:Cornell University College of Veterinary Medicine

出典:UC Davis School of Veterinary Medicine

出典:WSAVA Global Dental Guidelines

「ハサミで切れない=危険」と断定しない理由

今回の記事で特に注意したのが、この部分です。

「ハサミで切れないものは歯が折れる」という表現は非常にわかりやすいのですが、今回確認したコーネル大学、UC Davis、2026年版WSAVAの資料では、「ハサミで切れるか」ではなく「爪でへこませられるか」が具体的な判断方法として示されています。

そのため本記事では、

×「ハサミで切れないガムは危険」と一律に断定する

○「爪でへこませられないほど硬いものは歯の破折リスクを考えて注意する」

という基準で解説しています。

ネット上の情報だけを鵜呑みにせず、獣医学的な根拠を確認しながら愛犬に合ったものを選ぶことが大切です。

ここまでのポイント

  • 歯磨きガムは「硬ければ硬いほど良い」わけではない
  • 犬22頭の研究では咬合力13〜1,394N、平均256Nと大きな個体差があった
  • 非常に硬いものは歯の破折につながる可能性がある
  • 鹿角・蹄・骨・硬いナイロン製品には注意する
  • 硬さの目安には「爪でへこませられるか」を確認する方法がある
  • すでに硬く形成された歯石は、ガムで削り取ろうとせず動物病院へ相談する


安全な犬用歯磨きガムを選ぶ5つのポイント


犬用の歯磨きガムを安全に取り入れるには、単に「歯磨き用」「デンタルケア用」と書かれた商品を選べばよいわけではありません。


愛犬の歯や口の状態、体格、噛み方なども考えながら選ぶことが大切です。


特に確認したいのは、次の5つです。

  1. 爪で押して少しへこむ硬さを選ぶ
  2. 愛犬の体重・口の大きさに合ったサイズを選ぶ
  3. 丸飲みしにくいものを選ぶ
  4. 噛んでいる間は飼い主が様子を見る
  5. 口腔ケア効果を重視するならVOHC認定も参考にする

「長持ちする」「硬くて丈夫」といった特徴だけで選ぶのではなく、愛犬が無理なく、安全に噛めるかを優先しましょう。

①爪で押して少しへこむ硬さを選ぶ

最初に確認したいのがガムの硬さです。

前半で紹介したとおり、Cornell University College of Veterinary Medicine(コーネル大学獣医学部)では、犬用のチュー用品を選ぶ際の目安として「thumbnail test(爪テスト)」を紹介しています。

爪を押し当ててもまったくへこまないような非常に硬いものは、歯へ大きな負担をかける可能性があります。

購入前・与える前にチェック

ガムやチュー用品へ爪を強めに押し当て、表面に少しへこみができるか確認してみましょう。

「犬は噛む力が強いから、できるだけ硬いものを」という選び方ではなく、歯への負担も考えて選ぶことがポイントです。

また、爪テストをクリアすれば絶対に歯が折れないという意味ではありません。

犬の歯の状態や噛み方などによってリスクは異なるため、あくまで硬すぎるものを避けるための一つの目安として利用しましょう。

出典:Cornell University College of Veterinary Medicine「Risks from a fractured tooth」

②愛犬の体重・口の大きさに合ったサイズを選ぶ

硬さと同じくらい重要なのがガムのサイズです。

同じ犬用歯磨きガムでも、小型犬向け・中型犬向け・大型犬向けなど複数のサイズが用意されている商品があります。

VOHCも、デンタルチューやトリーツを与える際には、犬の体重に合った適切なサイズの商品をパッケージ表示に従って選ぶよう案内しています。

選び方 注意点
小さすぎる 十分に噛まず、そのまま飲み込んでしまう可能性がある
大きすぎる 商品が想定する犬の体格に合わず、適切に使用できない可能性がある
適切なサイズ メーカーが示す体重・サイズ区分を確認して選ぶ

「大型犬だから小型犬用を2本与える」といった自己流の使い方ではなく、メーカーが指定している対象体重・給与量・使用方法を確認してください。

出典:Veterinary Oral Health Council「Accepted Products」

③丸飲みしにくいものを選ぶ

犬用ガムで注意したいのは、歯の破折だけではありません。

大きなかたまりを飲み込んでしまうことにも注意が必要です。

特に食べるスピードが速い犬や、ガムをゆっくり噛まずに飲み込もうとする犬では慎重に判断しましょう。

最初は十分な大きさがあっても、噛んでいるうちに小さくなります。

こんな食べ方には注意

  • 数回噛んだだけで飲み込もうとする
  • 大きなかたまりを一気に口へ入れる
  • ガムが小さくなっても噛み続ける
  • 取られまいとして急いで飲み込む

商品パッケージに与え方や注意事項が記載されている場合は、それを守ることが基本です。

愛犬が歯磨きガムを「どのように食べる犬なのか」を把握することも、安全なデンタルケアの一部といえるでしょう。

④噛んでいる間は飼い主が様子を見る

歯磨きガムを渡して、そのまま犬を一人にしてしまうのは避けたほうがよいでしょう。

特に初めて与える商品では、

  • どのくらいの力で噛むのか
  • 丸飲みしようとしないか
  • 大きな破片が取れないか
  • 口の中から出血していないか
  • 噛んでいる途中で痛がる様子がないか

などを確認します。

また、普段はゆっくり噛んでいる犬でも、何かの拍子に大きなかたまりを飲み込む可能性はあります。

「今まで大丈夫だったから今回も大丈夫」と過信せず、与えている間は状態を確認することをおすすめします。

⑤歯垢・歯石対策ならVOHC認定も参考にする

「犬用」「デンタル」「歯磨き」と書かれている商品は数多くあります。

そのなかから口腔ケアを目的に商品を選ぶ際、一つの判断材料になるのがVOHC認定です。

VOHC(Veterinary Oral Health Council)は、提出された試験データを基準に沿って審査し、歯垢や歯石の蓄積を抑える効果について基準を満たした製品にSeal of Acceptanceを付与しています。

犬用認定製品には、

  • デンタルチュー
  • デンタルフード
  • 歯磨き粉
  • 水に添加する製品
  • フードへ加えるパウダー

などさまざまなタイプがあります。

つまり、口腔ケア=必ず硬いものを噛ませなければならないわけではありません。

歯磨きガム選びの考え方

「どれが一番硬いか」ではなく、「愛犬が安全に使えて、目的に合った口腔ケアができるか」という視点で選びましょう。

出典:Veterinary Oral Health Council「Accepted Products」

歯磨きガムを与えるときに注意したい3つの危険

ここまで「歯が折れる危険性」を中心に説明してきましたが、犬用歯磨きガムを安全に使用するには、ほかにも注意したいポイントがあります。

代表的なのが、次の3つです。

注意したいこと 対策
歯の破折 硬すぎるものを避ける
丸飲み 体格に合ったサイズを選び、食べている間は見守る
カロリーの摂りすぎ 給与量と1日の総摂取カロリーを確認する

歯が欠けたり折れたりする「破折」

もっとも注意したいのが、前半から解説している歯の破折です。

コーネル大学獣医学部は、非常に硬いものを噛むことを犬の歯の破折の一般的な原因として挙げています。

歯が欠けても犬が大きな声を出して痛がるとは限りません。

「いつもより硬いものを噛まなくなった」「片側だけで食べる」「口を触られるのを嫌がる」など、普段とは違う様子があれば口の中を確認し、異常が疑われる場合は動物病院へ相談してください。

小さくなったガムを丸飲みする

歯磨きガムは、噛んでいるうちに少しずつ小さくなります。

最初は安全そうなサイズでも、最後まで同じ安全性が保たれるとは限りません。

特に残りが小さくなったときには、犬がそのまま飲み込もうとすることがあります。

愛犬がどの程度まで噛んだら飲み込もうとするのかを普段から観察し、商品メーカーが示す注意事項・使用方法を優先しましょう。

毎日与えることでカロリーオーバーになる

意外と見落としやすいのが歯磨きガムのカロリーです。

デンタルケア用品であっても、食べられるタイプのガムは食事とは別にエネルギーを摂取することになります。

毎日のおやつ、トレーニング用のおやつ、歯磨きガムなどを積み重ねると、知らないうちに摂取カロリーが増える可能性があります。

歯のために始めた習慣でも体重管理を忘れずに

歯磨きガムを毎日与える場合は、パッケージのカロリー・給与量を確認し、必要に応じて普段の食事やほかのおやつとのバランスを調整しましょう。

こんな犬は硬い歯磨きガムを与える前に注意

同じ歯磨きガムでも、すべての犬に同じように適しているとは限りません。

特に、子犬・シニア犬・すでに口腔トラブルがある犬・丸飲みしやすい犬では慎重に判断しましょう。

子犬|対象月齢を必ず確認する

子犬の場合は、まず商品の対象月齢を確認してください。

乳歯から永久歯へ生え替わる時期もあるため、「噛みたがるから」という理由だけで成犬向けの硬いガムを与えるのは避けましょう。

子犬用として販売されている商品でも、対象月齢・体重・給与量を確認して使用することが大切です。

シニア犬|若い頃と同じガムが適しているとは限らない

長年同じ歯磨きガムを食べてきた犬でも、年齢を重ねるにつれて口腔内の状態は変化します。

歯周病や歯のぐらつき、過去の破折などがある場合には、硬いものを噛ませることが適切ではない可能性があります。

「昔からこれを噛んでいるから大丈夫」と考えず、現在の歯の状態に合っているかを確認しましょう。

歯周病・ぐらつく歯がある犬

すでに歯ぐきの腫れや出血、歯のぐらつき、強い口臭などがある場合は、歯磨きガムで自己流のケアを続けるのではなく、まず動物病院へ相談することをおすすめします。

特に「硬いガムを噛ませて歯石を取ろう」とするのは避けてください。

形成された歯石は、家庭用ガムで力ずくで削り取るものではありません。

過去に歯が欠けたり折れたりした犬

過去に歯の破折を経験している犬や、すでに歯科治療を受けている犬の場合は、どのような口腔ケア用品が適しているか獣医師へ確認すると安心です。

歯磨きガムを使う場合も、自己判断で「少し柔らかいから大丈夫」と判断するのではなく、愛犬の歯の状態を優先しましょう。

ほとんど噛まずに丸飲みする犬

歯磨きガムを数回噛んだだけで飲み込んでしまう犬では、そもそも「噛むこと」を利用するタイプのデンタルケアが合っていない可能性があります。

また、丸飲みによるトラブルを避けるという意味でも、無理にガムへこだわる必要はありません。

歯磨きが難しい場合でも、ガム以外の補助的な口腔ケア用品があります。

歯磨きガムだけで大丈夫?犬の口腔ケアの基本は歯ブラシ

ここまで歯磨きガムについて詳しく解説してきましたが、忘れてはいけないことがあります。

犬のホームデンタルケアの中心は、歯ブラシによるブラッシングです。

UC Davis School of Veterinary Medicineでは、家庭で行うケアとして毎日の歯磨きが最も効果的と説明しています。

歯磨きガムは便利ですが、歯ブラシの完全な代わりと考えるのではなく、毎日の口腔ケアを補助する選択肢として考えましょう。

出典:UC Davis School of Veterinary Medicine「Dental Home Care Instructions」

できれば毎日の歯磨きを習慣にする

犬の歯磨きでは、歯ブラシによって歯の表面についた歯垢を物理的に取り除くことが重要です。

ただし、いきなり口の中へ歯ブラシを入れると嫌がる犬も少なくありません。

最初は、

  1. 口元を触る
  2. 唇をめくる
  3. 歯や歯ぐきの周辺を触る
  4. 犬用歯ブラシを口元へ近づける
  5. 短時間だけブラッシングする

など、愛犬が嫌がらない範囲で少しずつ慣らしていきましょう。

「完璧に磨く」より続けられる習慣を

最初からすべての歯を完璧に磨こうとして、愛犬が歯磨きを嫌いになってしまっては続きません。短い時間から始め、少しずつ慣らしていくことが大切です。

歯磨きガムはブラッシングを補助する選択肢

歯磨きガムを使用するなら、

「ガムを与えているから歯磨きはしなくていい」

ではなく、

「歯磨きを基本にしながら、愛犬に合ったデンタル製品を補助的に利用する」

という考え方がおすすめです。

ただ、実際には歯磨きを嫌がる犬もいます。

さらに、

  • 硬いガムを噛ませるのが心配
  • ガムを丸飲みしてしまう
  • シニア犬なので硬いものを避けたい
  • 歯磨きがどうしても苦手
  • 毎日の口腔ケアを少しでも続けやすくしたい

という飼い主さんもいるでしょう。

そんな場合は、「硬いものを噛ませる」ことだけにこだわらず、別のタイプの口腔ケア用品を検討するのも一つの方法です。

硬い歯磨きガムが心配なら「噛ませない口腔ケア」も選択肢

犬の口腔ケア用品には、歯磨きガム以外にもさまざまなタイプがあります。

VOHCの認定製品にも、デンタルチューだけでなく、歯磨き粉や水へ加えるタイプ、フードへ混ぜるパウダータイプなどが掲載されています。

つまり、口腔ケアの選択肢は「硬いものを噛ませる」だけではありません。

特にガムを丸飲みしやすい犬や、硬いものを噛ませることに不安がある場合は、普段の生活に取り入れやすい方法を探してみるのもよいでしょう。

いつものごはんに混ぜるだけ「このこのふりかけ」

歯ブラシを嫌がる、歯磨きガムをうまく噛んでくれない――。

そんな愛犬の口腔ケアをサポートする選択肢として紹介したいのが、「このこのふりかけ」です。

「このこのふりかけ」は、いつものごはんにふりかけて与えるタイプの犬用口腔ケア商品です。

ガムのように硬いものを長時間噛ませるタイプではないため、

  • 硬いガムを噛ませることに不安がある
  • 歯磨きガムを丸飲みしやすい
  • 歯磨き習慣をサポートする別の方法も取り入れたい
  • 普段の食事と一緒に口腔ケアを続けたい

といった飼い主さんが検討しやすいタイプの商品です。

硬いガム以外の口腔ケアを探している方へ

いつものごはんに混ぜて与える
「このこのふりかけ」

歯磨きガムを噛ませることに不安がある場合は、
毎日の食事に取り入れられる口腔ケアもチェックしてみましょう。


このこのふりかけの詳細を公式サイトで確認する

※商品を使用したからといって、すでに形成された歯石を家庭で除去できるという意味ではありません。また、歯ブラシによるブラッシングや必要に応じた獣医師による診察・処置の代わりになるものではありません。商品に記載された使用方法・対象・給与量などを確認して使用してください。

「ガムか、ふりかけか」ではなく愛犬に合った方法を組み合わせる

ここで大切なのは、歯磨きガムとふりかけタイプの商品を「どちらが優れているか」で比較しないことです。

それぞれ使い方が異なります。

口腔ケア 特徴 注意点
歯ブラシ 歯垢を物理的に取り除く基本的なホームケア 犬を少しずつ慣らす必要がある
歯磨きガム 噛む動作を利用した補助的なケア 硬さ・サイズ・丸飲みに注意
ふりかけタイプ 普段の食事に取り入れやすい 商品の表示・使用方法を確認する
動物病院 口腔内の診察や必要な歯科処置を受けられる 異常が疑われる場合は家庭ケアだけで済ませない

愛犬が歯磨きを嫌がるからといって、いきなり非常に硬いガムへ頼る必要はありません。

歯ブラシを基本に、愛犬の性格・年齢・歯の状態・食べ方などに合わせて続けやすい方法を組み合わせることが大切です。

ポイント

  • 歯磨きガムは爪で押してへこませられる硬さを一つの目安にする
  • メーカーが指定する体重・サイズ・給与量を確認する
  • 小さくなったガムの丸飲みに注意する
  • 噛んでいる間は愛犬の様子を確認する
  • 口腔ケア効果を重視するならVOHC認定も判断材料になる
  • 子犬・シニア犬・口腔トラブルがある犬は特に慎重に選ぶ
  • 犬のホームデンタルケアは歯ブラシによるブラッシングが基本
  • 硬いガムが心配なら、食事に混ぜるタイプなど別の補助的ケアも検討する


犬の歯磨きガムを安全に続けるためにチェックしたいこと

犬の歯磨きガムは、適切な商品を正しく使えば毎日の口腔ケアを補助する選択肢になります。

ただし、「犬用として販売されているから絶対に安全」と考えるのではなく、愛犬の歯や口の状態を定期的に確認することが大切です。

特に歯磨きガムを日常的に与えている場合は、ときどき口の中をチェックしてみましょう。

愛犬のお口チェックリスト

  • 歯が欠けたり割れたりしていないか
  • 歯の色が以前と変わっていないか
  • 歯ぐきが赤くなっていないか
  • 歯ぐきから出血していないか
  • 歯がぐらついていないか
  • 黄褐色・茶色の硬い歯石が付着していないか
  • 口臭が以前より強くなっていないか
  • 片側だけで食べるようになっていないか
  • 硬いものを急に嫌がるようになっていないか
  • 口元を触られるのを嫌がるようになっていないか

犬は歯が欠けたり折れたりしていても、必ずしもわかりやすく痛みを表現するとは限りません。

Cornell University College of Veterinary Medicine(コーネル大学獣医学部)も、慢性的な歯の破折では犬が明らかな症状を示さず、診察で発見されるケースがあると説明しています。

「普通にごはんを食べているから大丈夫」と判断せず、普段から口の中を見る習慣をつけておくと、小さな変化にも気づきやすくなります。

出典:Cornell University College of Veterinary Medicine「Risks from a fractured tooth」

歯磨きガムを噛んだあとに歯から出血したら?

硬いガムを噛んだあとに口の中から出血している場合は、いったん使用を中止して口腔内を確認しましょう。

歯ぐきから出血しているのか、口の中に傷ができているのか、歯が欠けているのかなど、原因はさまざまです。

出血が続く、歯が欠けている、痛そうにしている、食べ方がおかしいといった異常がみられる場合は、自己判断で別のガムを試すのではなく動物病院へ相談してください。

歯が折れた可能性があるときは硬いものを与えない

歯の一部が欠けている、内部が見えている、歯の色が変わっているなど、破折が疑われる場合も注意が必要です。

「少し欠けただけだから大丈夫」とは限りません。

破折の程度によっては象牙質や歯髄まで影響している可能性があるため、硬いおやつやガムを与え続けず、獣医師による診察を受けることをおすすめします。

犬の歯磨きガムに関するよくある質問

ここからは、「犬の歯磨きガムは毎日与えていい?」「何分噛ませればいい?」「鹿角は歯磨きになる?」など、犬の歯磨きガムについて飼い主さんが疑問に感じやすいポイントをまとめます。

犬に歯磨きガムを毎日与えても大丈夫?

商品によって推奨される給与量が異なるため、パッケージやメーカーが示す使用方法に従ってください。

「歯磨きのためだから何本与えてもよい」というものではありません。

食べられるタイプの歯磨きガムにはカロリーがあります。毎日与える場合は、通常の食事やほかのおやつも含めて1日の摂取量を考える必要があります。

また、毎日使用している場合でも、歯や歯ぐきの状態を定期的に確認しましょう。

犬の歯磨きガムは何分くらい噛ませればいい?

すべての歯磨きガムに共通する「○分噛ませればよい」という時間はありません。

商品によって形状・硬さ・サイズ・使用方法が異なるため、メーカーの説明に従うことが基本です。

「長時間噛ませたほうが歯磨き効果が高そう」という理由だけで、本来の使用方法を超えて噛ませ続けるのは避けましょう。

また、時間だけを見るのではなく、ガムが小さくなっていないか、大きなかたまりを飲み込もうとしていないかなども確認してください。

硬い歯磨きガムのほうが歯石は取れますか?

「硬ければ硬いほど歯石が取れる」とは考えないほうがよいでしょう。

むしろ非常に硬いものには、歯の破折という別のリスクがあります。

また、UC Davis School of Veterinary Medicine(カリフォルニア大学デービス校獣医学部)は、歯垢が石灰化して歯石になると専門的なクリーニングが必要になると説明しています。

そのため、すでについている硬い歯石を家庭で硬いガムによって削り落とそうとするのは避けてください。

歯磨きガムは、歯垢・歯石の蓄積を抑えるための日常的な口腔ケアを補助するものとして考えましょう。

出典:UC Davis School of Veterinary Medicine「Dental Home Care Instructions」

鹿角を噛ませれば犬の歯磨きになりますか?

鹿角を「硬いから歯磨きに良い」と考えて与えることはおすすめできません。

2026年版WSAVA Global Dental Guidelinesでは、非常に硬いデンタルトリーツの例として鹿角(antlers)、蹄(hooves)、ナイロンボーン(nylon bones)などが挙げられ、歯の破折リスクが指摘されています。

コーネル大学獣医学部でも、犬が噛むものとして鹿角・骨・蹄などを避けるよう案内しています。

天然素材=歯に安全、ではありません

鹿角は天然素材ですが、天然か人工かではなく「歯にどれほどの負荷がかかる硬さなのか」という視点で考えることが大切です。

獣道ラボでは鹿を活用した犬用おやつを扱っていますが、鹿由来という理由だけですべての部位・加工品を「犬の歯に良い」とおすすめすることはありません。

命を無駄なく活かすことと、愛犬に安全なものを届けること。その両方を大切にしたいと考えています。

出典:WSAVA「Global Dental Guidelines」

出典:Cornell University College of Veterinary Medicine

骨なら天然だから安全ですか?

天然の骨だから歯に安全とは限りません。

コーネル大学獣医学部では、硬い骨についても歯の破折につながる可能性があるものとして注意しています。

「天然」「無添加」「長時間噛める」といった特徴と、歯にとって適切な硬さかどうかは分けて考えましょう。

爪でへこめば絶対に安全ですか?

いいえ。爪テストは絶対的な安全基準ではありません。

コーネル大学獣医学部やUC Davis獣医学部で紹介されている「爪でへこませられるか」という方法は、非常に硬いものを避けるためのわかりやすい目安です。

しかし、犬の歯の状態、体格、噛み方、商品の大きさなどによって安全性は変わります。

そのため、

  • 爪でへこませられる硬さか
  • 愛犬の体格に合っているか
  • 丸飲みしにくいか
  • 歯に問題がないか
  • メーカーの対象犬・使用方法に合っているか

などを総合的に確認してください。

ハサミで切れないガムは危険ですか?

「ハサミで切れない=危険」と一律に判断することはできません。

犬用ガムの硬さについて「ハサミで切れないものは避ける」と説明されることがありますが、本記事で確認したコーネル大学、UC Davis、WSAVAの資料では、具体的な硬さの確認方法として「爪で押してへこませられるか」という考え方が確認できます。

そのため獣道ラボでは、「ハサミで切れるか」だけで安全性を断定するのではなく、獣医学的な情報をもとに爪テストなどを参考にすることをおすすめします。

歯磨きガムを丸飲みしてしまう犬はどうすればいい?

ほとんど噛まずに飲み込んでしまう場合は、その犬に「噛むタイプ」のデンタルケアが適しているのかを見直してみましょう。

メーカーが用意しているサイズ区分を確認することはもちろんですが、サイズを変更しても丸飲みしようとする犬に、無理にガムを使い続ける必要はありません。

歯ブラシによるケアを基本として、必要に応じて別のタイプの口腔ケア用品を検討する方法もあります。

歯磨きガムを噛まない犬はどうすればいい?

犬によっては歯磨きガムに興味を示さなかったり、少し舐めるだけで噛まなかったりすることがあります。

その場合も、無理にガムを食べさせる必要はありません。

犬用の口腔ケアには、

  • 歯ブラシ
  • 犬用歯磨き剤
  • デンタルチュー
  • フードへ加えるタイプ
  • 水へ添加するタイプ

など複数の方法があります。

愛犬が受け入れやすく、飼い主さんが継続できる方法を探してみましょう。

歯磨きガムを与えていれば歯ブラシは必要ありませんか?

歯磨きガムだけに頼るのではなく、歯ブラシによるブラッシングを基本に考えましょう。

UC Davis獣医学部では、家庭で行うデンタルケアとして毎日のブラッシングを推奨しています。

歯磨きガムなどのデンタル製品は、日々の口腔ケアを補助する選択肢として取り入れるのがおすすめです。

出典:UC Davis School of Veterinary Medicine「Dental Home Care Instructions」

犬の歯石は自宅で取ってもいいですか?

硬く付着した歯石を、飼い主さんが器具や硬いガムを使って無理に取ろうとするのは避けましょう。

UC Davis獣医学部では、形成された歯石の除去には専門的な歯科クリーニングが必要と説明しています。

歯石だけでなく歯肉炎や歯周病などが進んでいる可能性もあるため、歯石が目立つ場合は動物病院へ相談してください。

犬の口腔ケアは「硬さ」だけでなく続けやすさも大切

犬の歯を守るためには、1回だけ特別なケアをするより、毎日の生活のなかで口腔ケアを続けることが大切です。

理想は歯ブラシによるブラッシングを習慣にすることですが、実際には口元を触られること自体が苦手な犬もいます。

だからといって、歯磨きが難しい犬に「とにかく硬いガムを噛ませればいい」と考える必要はありません。

歯磨きガム以外にも、日常生活へ取り入れやすい口腔ケア用品があります。

歯磨きが苦手なら「できる方法」を少しずつ増やそう

歯磨きを嫌がる犬では、いきなり完璧なブラッシングを目指すよりも、口元を触るところから少しずつ慣らしていく方法があります。

そのうえで、愛犬に合ったデンタルケア用品を補助的に取り入れるとよいでしょう。

口腔ケアの考え方

歯ブラシを基本にしながら、愛犬の性格・年齢・歯の状態に合わせて、無理なく続けられる補助的な方法を組み合わせることがポイントです。

硬いガムを噛ませるのが心配なら「このこのふりかけ」もチェック

「歯磨きガムを丸飲みしてしまう」

「硬いものを噛ませて歯が折れないか心配」

「歯ブラシを嫌がるので、毎日の口腔ケアを続けるのが大変」

そんな飼い主さんが検討できる選択肢の一つが、いつものごはんに混ぜて与えるタイプの「このこのふりかけ」です。

噛むことを前提とした歯磨きガムとは使い方が異なるため、「硬いものを噛ませる以外の口腔ケア用品も探してみたい」という方は、商品内容を確認してみてください。

いつものごはんに混ぜるだけ!
わんちゃんのお口ケア

「このこのふりかけ」

硬い歯磨きガムだけに頼らず、
愛犬が続けやすい口腔ケアを探してみませんか?

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※口腔ケア用品は、動物病院での診察・治療や歯ブラシによるブラッシングの代わりになるものではありません。すでに歯石が多く付着している、歯ぐきから出血する、歯がぐらつく、強い口臭があるなどの場合は、獣医師へご相談ください。また、商品を使用する際は公式サイトやパッケージに記載された使用方法・給与量等をご確認ください。

まとめ|犬の歯磨きガムは「硬いほど良い」ではなく安全性で選ぼう

犬の歯磨きガムを選ぶとき、もっとも覚えておきたいのは「硬いほど歯磨き効果が高いわけではない」ということです。

犬22頭を対象にした咬合力研究では、13〜1,394N、平均256Nという幅広い測定値が報告されています。

しかし、「犬は強く噛めるから硬いものでも大丈夫」ということにはなりません。

むしろ非常に硬いものを強く噛むことで歯へ大きな力が加わり、破折につながる可能性があります。

犬の歯磨きガムを安全に使う7つのポイント

  1. 「硬いほど歯に良い」と考えない
  2. 爪で押してへこませられる硬さを一つの目安にする
  3. 鹿角・蹄・骨・非常に硬いナイロン製品などに注意する
  4. 犬の体重・口に合ったサイズを選ぶ
  5. 丸飲みしないよう食べている間は様子を見る
  6. 形成済みの歯石を硬いガムで削り取ろうとしない
  7. 歯ブラシによる日常的なブラッシングを基本にする

また、歯磨きガムを選ぶ際には、VOHC(Veterinary Oral Health Council)の認定製品も一つの判断材料になります。

歯磨きガムを嫌がる犬や丸飲みしてしまう犬、硬いものを噛ませることに不安がある場合は、ガムだけにこだわる必要はありません。

歯ブラシを基本として、愛犬の年齢・性格・歯の状態・食べ方に合わせた口腔ケアを選ぶことが大切です。

そして、すでに歯石が目立つ、歯が欠けている、歯ぐきから出血する、強い口臭がある、食べ方が変わったといった異常がみられる場合は、家庭で硬いものを噛ませて解決しようとせず、動物病院へ相談しましょう。

毎日の小さなケアを積み重ねながら、愛犬の大切な歯を守っていきましょう。

この記事の主な参考・出典

【免責事項】

本記事は犬の口腔ケアに関する一般的な情報を提供することを目的としており、獣医師による診断・治療を代替するものではありません。愛犬の歯や歯ぐきに異常がみられる場合、持病がある場合、使用する口腔ケア用品について不安がある場合は、かかりつけの獣医師へご相談ください。