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【2026年最新】犬の夏バテにおすすめの食べ物は?食欲不振を乗り切る水分・ビタミンB群の補給法

暑い日が続くと、いつもはご飯を楽しみにしている愛犬が、急にドッグフードを残すことがあります。

「暑くなってから食欲がない」
「水は飲んでいるけれど、ご飯をあまり食べない」
「夏バテした犬には何を食べさせればいい?」

このような変化が見られると、飼い主さんとしては心配になりますよね。

犬は人間のように全身から汗をかいて体温を下げることが得意ではなく、主にパンティング(口を開けてハアハアと呼吸する行動)などによって熱を逃がします。

環境省の資料でも、犬は暑いときにパンティングをしたり、水を多く飲んだり、体を冷たい場所に接触させたりして体温調節を行うと説明されています。

暑い時期の食欲低下を「夏バテかな」と考えることもありますが、注意したいのが熱中症や病気による食欲不振との違いです。

特に激しいパンティングや大量のよだれ、ふらつき、嘔吐、ぐったりしているといった症状がある場合は、単なる食欲の問題として考えるべきではありません。

この記事では、犬の夏バテ時に取り入れやすい食べ物、水分補給、ビタミンB群などの栄養について解説します。さらに、犬の平熱や熱中症を疑う体温、1日に必要な水分量についても公的・獣医療関連資料をもとに確認していきましょう。

この記事でわかること

  • 犬が暑い時期に食欲を落とすときの考え方
  • 犬の夏バテと熱中症を見分けるポイント
  • 犬の平熱と熱中症を疑う体温の目安
  • 犬が1日に必要とする水分量の計算方法
  • 夏に水分を上手に摂らせる方法
  • 夏バテで食欲がないときに取り入れやすい食べ物
  • 馬肉や鹿肉などをトッピングに活用する方法

犬も夏バテする?暑くなると食欲が落ちる理由

夏になると「犬も人間と同じように夏バテするの?」と疑問に思う飼い主さんもいるでしょう。

そもそも「夏バテ」は特定の病名ではありません。一般的には、暑さが続くことで食欲低下や元気がないなどの体調変化が現れている状態を指して使われています。

犬の場合も暑い環境では体温を下げるための行動が増えるため、まずは愛犬の様子と生活環境を確認することが大切です。

犬は人間のように全身から汗をかいて体温調節できない

人間は暑くなると全身から汗を出し、その汗が蒸発するときに熱を逃がして体温を調節します。

一方、犬は人間と同じ方法で全身から大量に汗をかいて体温を調節するわけではありません。

そのため、暑くなると口を開けてハアハアと呼吸する「パンティング」を行い、呼吸によって熱を逃がします。

🐕 犬が暑いときに見せる行動

  • 口を開けてハアハアと呼吸する
  • 水を多く飲む
  • 冷たい床などに体をつける
  • 涼しい場所へ移動しようとする

環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」に関連する適正飼養資料でも、犬はパンティングや飲水、冷たいものへの接触などによって体温調節を行うことが示されています。

出典: 環境省「暑さ、寒さに対する犬猫の状態」

暑い時期の食欲不振は食事以外の様子も確認しよう

暑くなって愛犬の食欲が落ちると、「夏バテだから仕方ない」と考えてしまいがちです。

しかし、食欲不振だけで夏バテと判断することはできません。

食欲がないときには、次のような変化がないか一緒に確認してみましょう。

  • 普段どおり元気があるか
  • 水を飲めているか
  • 嘔吐や下痢をしていないか
  • 呼吸が異常に荒くないか
  • ふらつきがないか
  • ぐったりしていないか
  • 口の中や歯ぐきの色に異常がないか

特に暑い環境にいたあとに呼吸が激しくなったり、ぐったりしたりしている場合は、熱中症も考える必要があります。

食べない状態が続く場合は「夏バテ」と決めつけない

食欲不振は暑さだけでなく、消化器疾患や口腔内のトラブルなど、さまざまな原因で起こる可能性があります。

そのため、長時間ほとんど食べない状態が続いている、元気がない、嘔吐や下痢など別の症状がある場合は、自己判断で「夏バテ」と決めつけず、動物病院へ相談しましょう。

⚠️ 大切なポイント
この記事で紹介する食事や水分補給は、熱中症などの治療に代わるものではありません。明らかな体調不良がある場合は、食べ物を工夫することよりも獣医師への相談を優先してください。

犬の夏バテと熱中症は違う|危険なサインを確認しよう

「夏バテ」と「熱中症」は同じものではありません。

夏場に食欲が落ちているだけなら食事を工夫できるケースもありますが、熱中症は命に関わる可能性がある緊急性の高い状態です。

厚生労働省の「補助犬使用者及び訓練事業者のための補助犬衛生管理の手引き」では、犬の熱中症について具体的な体温の目安が示されています。

犬の平熱は38~39℃|41℃を超えると熱中症の基準に

厚生労働省の手引きでは、犬の平熱は38~39℃とされています。

そして、平熱が38~39℃の犬では、深部体温(直腸温)が41℃を超えた場合、熱中症と診断されると説明されています。

さらに、41℃を超えると熱による脳へのダメージが生じ始め、43℃を超えるとさまざまな器官が機能不全に陥り、死亡率が急激に高まるとされています。

体温 考え方
38~39℃ 厚労省資料における犬の平熱
40℃近く 環境省資料では熱中症の軽度症状として「高熱(40℃近く)」を例示
41℃超 厚労省手引きでは深部体温(直腸温)がこの温度を超えた場合に熱中症と診断
43℃超 さまざまな器官が機能不全に陥り、死亡率が急激に高まるとされる

出典:
厚生労働省「補助犬使用者及び訓練事業者のための補助犬衛生管理の手引き」
環境省「ペットの熱中症について」

💡「40℃になったら熱中症」と単純に判断しない
環境省資料では「高熱(40℃近く)」が軽度の熱中症で見られる症状の一つとして紹介されています。一方、厚生労働省の手引きでは、深部体温(直腸温)41℃超が熱中症の診断基準として示されています。体温だけではなく、呼吸や意識状態なども含めて判断する必要があります。

激しいパンティング・よだれ・ぐったりは熱中症のサイン

熱中症では体温以外にもさまざまな症状が現れます。

厚生労働省の手引きでは、初期症状として呼吸が荒い、よだれ、頻脈、歩きたがらない、ふらつく、呼びかけへの反応が遅い、口の中が鮮紅色になる、嘔吐するなどが挙げられています。

環境省資料でも、重症度に応じて次のような症状が紹介されています。

状態 主な症状
軽度 パンティング、よだれ、落ち着きがない、目や口の粘膜が赤い、高熱(40℃近く)など
中等度 筋肉の震え、吐き気、下痢、呼吸困難など
重度 動かない、意識を失う、発作など

暑い日に愛犬がご飯を食べなくても、元気に動いて水も飲めている状態と、ぐったりして激しく呼吸している状態では緊急性がまったく違います。

熱中症が疑われるなら「何を食べさせるか」より受診を優先

ここは、この記事のなかでも特に覚えておいてほしいポイントです。

熱中症が疑われる犬に対して、「栄養をつけるために肉を食べさせよう」と考えるのは適切ではありません。

厚生労働省の手引きでは、熱中症が疑われる場合の応急措置として、まず犬を涼しい場所へ移動して冷却し、動物病院へ連れていくことが重要とされています。

🚨 こんなときは食事より動物病院への相談を

  • 激しいパンティングが続いている
  • 大量によだれが出ている
  • ふらついている・歩けない
  • 嘔吐や下痢をしている
  • ぐったりして動かない
  • 呼びかけへの反応がおかしい
  • 意識がない・けいれんしている

「夏だから食欲がないだけ」と決めつけず、普段と明らかに様子が違う場合は早めに獣医師へ相談してください。

犬の夏バテ対策では水分補給が重要

熱中症を防ぎ、暑い季節を元気に過ごすために欠かせないのが水分補給です。

ただ、「水をたくさん置いておけば大丈夫」というだけではなく、愛犬が普段どの程度の水分を必要としているのか目安を知っておくと、飲水量の変化にも気づきやすくなります。

犬が1日に必要とする水分量の計算方法

犬の1日に必要な水分量については、体重を使った計算方法があります。

犬の1日の水分要求量の目安

体重(kg)0.75 × 132ml

また、新潟県獣医師会が公開している「補助犬の衛生管理」では、より簡単な目安として「50~60ml/kg/日」という考え方も紹介されています。

つまり、簡易的に計算すると次のようになります。

犬の体重 1日の水分量の簡易目安
50~60ml/kgで計算
2kg 約100~120ml
3kg 約150~180ml
5kg 約250~300ml
10kg 約500~600ml
15kg 約750~900ml
20kg 約1,000~1,200ml

出典: 新潟県獣医師会「補助犬の衛生管理」

必要水分量=水皿から飲ませる量ではない

ここで注意したいのが、上記の数字を「水皿から必ずこの量を飲ませなければならない」と考えないことです。

犬は飲み水だけでなく、食事からも水分を摂取しています。

例えば、水分を多く含むウェットフードを食べている犬と、ドライフードを中心に食べている犬では、水皿から飲む量が違っていても不思議ではありません。

💧 水分量を見るときのポイント
「水を何ml飲んだか」だけではなく、飲み水+食事に含まれる水分を合わせて考えましょう。また、必要量は気温や活動量、食事内容、体格、健康状態などによって変わります。

夏はいつでも新鮮な水を飲める環境を作る

暑い季節は、愛犬が好きなタイミングで水を飲める環境を整えておきましょう。

特に留守番時間が長い家庭では、水皿を1か所だけにするよりも、複数の場所に用意しておくと安心です。

例えば、次のような方法があります。

  • 水皿を室内の複数箇所に設置する
  • 水をこまめに交換する
  • 散歩には必ず飲み水を持参する
  • 外出後すぐに水を飲めるようにする
  • 愛犬が飲みやすい高さ・形状の器を使う

厚生労働省の補助犬衛生管理の手引きでも、熱中症予防として外出時には必ず水を携帯することが示されています。

出典: 厚生労働省「補助犬使用者及び訓練事業者のための補助犬衛生管理の手引き」

水をあまり飲まない犬は食べ物から水分を補う方法もある

水皿を用意していても、もともとあまり水を飲まない犬もいます。

その場合は、食事に水分を加えることも一つの方法です。

水分を食事から摂らせる工夫

  • ドライフードをぬるま湯でふやかす
  • ウェットフードを組み合わせる
  • いつもの食事に少量の水分を加える
  • 肉などのトッピングと水分を組み合わせる

特に夏場に食欲まで落ちている場合は、単に水分を増やすだけでなく、香りや食感を工夫して「食べたい」と感じてもらうこともポイントになります。

そこで次に、夏バテで食欲が落ちている犬にどのような食べ物を取り入れやすいのかを見ていきましょう。

「犬の夏バテにおすすめの食べ物」を紹介

ウェットフードや肉類を使った食欲アップの工夫に加え、馬肉・鹿肉などをいつものフードに取り入れる方法も紹介します。食欲が落ちているときこそ、無理に大量に食べさせるのではなく、水分と栄養を無理なく摂れる食事を考えていきましょう。


犬の夏バテにおすすめの食べ物|食欲がないときの選び方

暑さで愛犬の食欲が落ちていると、「何か栄養のあるものを食べさせたい」と考える飼い主さんも多いでしょう。

ただし、夏だからといって特定の食べ物を大量に与える必要はありません。

元気があり、熱中症や病気を疑う症状が見られない場合は、普段の食事の栄養バランスを大きく崩さず、水分・香り・食感などを工夫して食べやすくすることから始めてみましょう。

環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」でも、犬・猫では必要な栄養素を適切に摂取することが重要とされています。

出典: 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」

🐕 夏バテで食欲が落ちた犬の食事で意識したいこと

  • 水分:食事からも水分を摂れるようにする
  • 香り:犬が興味を示しやすい食材を少量加える
  • 食感:ドライフードをふやかすなど食べやすくする
  • 栄養:主食の栄養バランスを大きく崩さない
  • 量:一度に大量に与えず、愛犬の様子を見ながら調整する

ウェットフード|食事と一緒に水分を摂りやすい

夏場に水をあまり飲まない犬なら、ウェットタイプのフードを活用する方法があります。

前半で解説したように、犬が摂取する水分は水皿から飲む水だけではありません。食事に含まれる水分も、1日の水分摂取量に含まれます。

そのため、ドライフード中心の犬であれば、ウェットフードを組み合わせたり、いつものドライフードをぬるま湯でふやかしたりすることで、食事と一緒に水分を摂りやすくできます。

💧 例えばこんな方法

いつものドライフード

少量のぬるま湯

肉やウェットフードを少量トッピング

「水だけではあまり飲んでくれない」という犬なら、食事の香りを活かしながら水分摂取をサポートできます。

ただし、水分を加えたフードは傷みやすくなります。特に夏場は長時間出しっぱなしにせず、食べ残したものは早めに片付けましょう。

肉類|香りを活かしていつもの食事に変化をつける

普段のドッグフードには興味を示さなくても、肉の香りには反応する犬もいます。

そのような場合は、馬肉・鹿肉・鶏肉などを少量トッピングする方法も選択肢になります。

FEDIAF(欧州ペットフード工業会)は、肉や動物由来原料について、一般的にタンパク質、必須脂肪酸、鉄、一部のビタミンB群の供給源となり、嗜好性にも寄与すると説明しています。

参考: FEDIAF「Ingredients」

ただし、ここで注意したいのが、「肉を食べれば夏バテが治る」という意味ではないことです。

あくまで、食欲が落ちた犬が普段の食事を食べるきっかけを作ったり、食事に変化をつけたりする方法として考えましょう。

馬肉|いつものフードへのトッピングとして取り入れやすい

夏場に食欲が落ちた犬へのトッピング候補の一つが馬肉です。

肉類はタンパク質や一部のビタミンB群などを含むため、普段の食事に少量プラスする食材として利用できます。

特に「塊肉だと毎回切るのが大変」「少量ずつ使いたい」という場合には、ミンチタイプの商品が便利です。

🐎 馬刺し専門店が作った「馬肉パラパラミンチ」

今回紹介するのが、馬刺し専門店が販売しているペット用「馬肉パラパラミンチ」です。

細かなパラパラ状のミンチになっているため、必要な分だけ取り出しやすく、いつものドッグフードへのトッピングにも使いやすいのが特徴です。

  • 馬肉を愛犬の食事に取り入れたい
  • 普段のフードに少量トッピングしたい
  • 必要な量だけ取り出せる馬肉を探している
  • 肉を使っていつもの食事に変化をつけたい

※価格・内容量・保存方法・給与方法などは購入前に公式サイトで最新情報をご確認ください。


馬肉パラパラミンチは「少量だけ使いたい」ときにも便利

夏場に食欲が落ちている犬にトッピングを使う場合、最初から大量の肉を加える必要はありません。

普段食べているフードを基本として、愛犬の様子を見ながら少量を加えてみましょう。

パラパラタイプのミンチなら、塊の冷凍肉と比べて必要な分を取り出して使いやすいのがメリットです。

なお、販売元では2026年の価格改定後、馬肉パラパラミンチ900g(300g×3袋)の価格が税込2,750円と案内されています。価格は変更される可能性があるため、注文時には公式サイトで最新価格を確認してください。

💡 トッピングは主食とのバランスが重要
肉だけで犬に必要なすべての栄養素を補えるわけではありません。トッピングとして利用する場合は、総合栄養食など普段の食事とのバランスを崩さないようにしましょう。

鹿肉|食事に変化をつけたい犬のトッピングにも

 

獣道ラボでは、三重・伊賀の里山で捕獲された鹿の命を無駄にせず、犬用ペットフードとして活用する取り組みを行っています。

鹿肉や鹿の内臓、スジなど、部位ごとの特徴を活かした商品を展開しているため、普段の食事に変化をつけたいときのおやつ・トッピング候補として取り入れることができます。

🦌 三重・伊賀の里山から|獣道ラボ

獣道ラボでは、有害鳥獣として捕獲された鹿の命をできる限り無駄にせず、愛犬のためのペットフードへ活用しています。

「どこで獲れた肉なのか分かるものを選びたい」「鹿肉のおやつを試してみたい」という方は、獣道ラボの商品もチェックしてみてください。

犬用スープやぬるま湯|「食べる+水分補給」を意識する

食欲と同時に飲水量も減っている場合は、食事に水分を加える方法も検討してみましょう。

例えば、いつものドッグフードをぬるま湯でふやかしたり、犬用に作られたスープを利用したりする方法があります。

ポイントは、「栄養を摂らせること」と「水分を摂らせること」を別々に考えすぎないことです。

食事から水分を摂取できれば、水だけを飲ませようとするよりスムーズな場合もあります。

こんな組み合わせも

ドライフード

ぬるま湯で水分をプラス

馬肉・鹿肉などを少量トッピング

ただし、塩分や調味料を含む人間用のスープを安易に使用するのは避けましょう。

犬の夏バテ対策で意識したいビタミンB群

夏バテ対策を調べていると、「ビタミンB群を摂ったほうがいい」という情報を目にすることがあります。

ビタミンB群は犬にとって必要な栄養素ですが、ここでも注意したいのが「ビタミンB群を与えれば夏バテが治る」と考えないことです。

ビタミンは犬の体内でさまざまな働きに関与しており、必要量をバランスよく摂取することが重要です。

犬にもビタミンB群は必要な栄養素

FEDIAFが公開している犬・猫用ペットフードの栄養ガイドラインでは、犬に必要な栄養素として次のようなビタミンB群について推奨栄養量が設定されています。

ビタミン 名称
ビタミンB1 チアミン
ビタミンB2 リボフラビン
ビタミンB3 ナイアシン
ビタミンB5 パントテン酸
ビタミンB6 ピリドキシン
ビタミンB9 葉酸
ビタミンB12 シアノコバラミン

FEDIAFの2025年版栄養ガイドラインでは、これらについて成犬の維持期における推奨栄養レベルが示されています。

出典: FEDIAF「Nutritional Guidelines for Cats and Dogs」

ビタミンB群は体内のさまざまな代謝に関わっている

ビタミンB群はひとまとめにされることが多いものの、それぞれ異なる働きを持っています。

例えば、ビタミンB1(チアミン)やB2(リボフラビン)、B3(ナイアシン)などは、体内でエネルギーを利用するための代謝に関わる栄養素です。

つまり、「夏だから特別に大量のビタミンB群が必要」というより、食欲が落ちて食事量そのものが減っているときほど、必要な栄養素をバランスよく摂れる食事を意識することが大切です。

ポイント
ビタミンB群は犬に必要な栄養素ですが、ビタミンB群そのものを「犬の夏バテを治す成分」と表現するのは適切ではありません。夏場も必要な栄養を不足なく摂れるよう、食事全体で考えましょう。

肉類には一部のビタミンB群も含まれる

ビタミンB群はさまざまな食材に含まれています。

FEDIAFでは、肉や動物由来原料について、タンパク質や鉄などとともに一部のビタミンB群の供給源になるとしています。

そのため、馬肉や鹿肉などの肉類を食事に取り入れることは、犬にとって必要な栄養素を含む食材の選択肢の一つと考えられます。

ただし、肉だけでは必要な栄養をすべてバランスよく摂取できません。

総合栄養食を主食としている犬なら、それを基本にして肉類をトッピングとして利用する方法が取り入れやすいでしょう。

レバーは栄養価が高いからこそ与えすぎに注意

肉類のなかでも、レバーなどの内臓にはさまざまなビタミンやミネラルが含まれています。

一方で、「栄養が豊富だからたくさん与えたほうがいい」というわけではありません。

特定の栄養素を過剰に摂取することにつながる可能性があるため、レバーなどの内臓は主食として大量に与えるのではなく、適量を守っておやつやトッピングとして活用しましょう。

ビタミンサプリを自己判断で大量に追加する必要はない

夏場に愛犬の食欲が落ちると、「ビタミン剤を追加したほうがいいのでは?」と思うかもしれません。

しかし、総合栄養食は基本的に、対象となる犬が必要とする栄養をバランスよく摂取できるよう設計されています。

FEDIAFも、完全栄養食(Complete Pet Food)について、必要な栄養素を適切な量と割合で供給するものと説明しています。

参考: FEDIAF「Nutritional needs of cats and dogs」

そのため、普段から総合栄養食を適切な量食べている健康な犬であれば、「夏だから」という理由だけでサプリメントを大量に追加する必要はありません。

食欲不振が続いて栄養不足が心配な場合や、持病がある犬にサプリメントを使用したい場合は、かかりつけの獣医師に相談しましょう。

夏バテでご飯を食べない犬に試したい5つの工夫

熱中症を疑う症状はなく、元気はあるものの「いつものフードへの食いつきが悪い」という場合は、食べ物そのものをすべて変更する前に、与え方を工夫してみましょう。

1.いつものフードに肉を少量トッピングする

まず試しやすいのが、普段食べているフードに馬肉や鹿肉などを少量加える方法です。

いきなり主食をすべて変更するのではなく、いつもの食事を基本に香りや食感をプラスするイメージです。

2.ドライフードをぬるま湯でふやかす

ドライフードにぬるま湯を加えると、食事から水分を摂りやすくなります。

さらにフードの香りを感じやすくなることもあるため、普段のドライフードを食べなくなったときに試しやすい方法です。

ただし、熱すぎるお湯は避け、犬が食べられる温度まで確認してから与えましょう。

3.ウェットフードを組み合わせる

ドライフードだけでは食べない場合は、ウェットフードを少量混ぜる方法もあります。

水分を含んだ食事にできるため、夏場の食事を工夫したいときにも取り入れやすい方法です。

4.1回の量を減らして食事回数を調整する

一度にたくさん食べられない場合は、愛犬の状態を見ながら1回分を少なくして与える方法も考えられます。

ただし、1日の総摂取量が極端に減ってしまう状態が続く場合は、単なる夏バテと考えず獣医師に相談しましょう。

5.涼しく落ち着いた環境で食べさせる

食べ物だけでなく、食事をする環境も見直してみましょう。

室内が暑い状態では、愛犬にとって食事どころではない場合があります。

エアコンなどで適切な室温を保ち、落ち着いて食べられる環境を作ることも大切です。

🐕 夏の食事は「何を食べるか」だけで考えない

愛犬の夏バテ対策では、特定の食べ物だけに頼るのではなく、水分・栄養バランス・食べやすさ・室温管理をセットで考えることが大切です。

馬肉や鹿肉などは、いつもの食事への興味を引き出すトッピングとして活用できます。一方、食欲不振が長く続いたり、ぐったりするなど別の症状が見られたりする場合は、「夏バテ」と決めつけず動物病院へ相談しましょう。

夏バテ・熱中症に特に注意したい犬

暑さへの強さはすべての犬で同じではありません。

環境省の熱中症対策資料では、短頭種、幼若・高齢、肥満、心臓や呼吸器などに疾患がある動物などは熱中症になりやすい特徴があるとされています。

該当する愛犬と暮らしている場合は、食欲の変化だけでなく、呼吸や活動量、飲水量なども普段から確認しておきましょう。

出典: 環境省「ペットの熱中症について」

フレンチブルドッグやパグなどの短頭種

フレンチブルドッグ、パグ、ブルドッグ、ペキニーズなどの短頭種は、暑い季節には特に注意したい犬種です。

犬はパンティングによって熱を逃がしますが、短頭種では気道の構造上、効率的に熱を放散しにくい場合があります。

🐶 短頭種は「まだ大丈夫だろう」と考えない
気温だけで判断せず、湿度や運動量、直射日光、愛犬の呼吸状態なども確認しましょう。激しいパンティングが続く場合は、早めの対応が重要です。

子犬・シニア犬

子犬や高齢犬も暑さへの注意が必要です。

特にシニア犬では、若い頃と比べて活動量や食事量が変化していることもあります。

「夏になったから食べない」と決めつけず、食欲低下が続く場合は年齢による変化や病気の可能性も含めて獣医師に相談しましょう。

肥満傾向の犬

肥満も熱中症のリスク要因として挙げられています。

夏だからといって食べやすい肉やおやつを大量に追加すると、結果的に摂取カロリーが増えてしまうことがあります。

馬肉や鹿肉などをトッピングとして利用するときも、「普段の食事+トッピング」で1日の摂取量を考えることが大切です。

心臓・呼吸器などに疾患がある犬

持病がある犬では、一般的な夏バテ対策がそのまま適しているとは限りません。

食事内容や水分量について獣医師から指示を受けている場合は、その指示を優先してください。

特に治療食を食べている犬では、自己判断で肉類やサプリメントなどを大量に追加せず、トッピングを使用してよいか事前に相談すると安心です。

犬の夏バテを防ぐために食べ物以外でできること

愛犬の夏バテ対策というと「何を食べさせるか」に目が向きがちですが、そもそも体に熱をため込ませない生活環境を作ることも重要です。

環境省は、ペットの熱中症対策として室温・湿度の管理、十分な飲み水の準備、夏の日中の散歩を避けることなどを呼びかけています。

出典: 環境省「ペットの熱中症に注意しましょう」

室温と湿度を適切に管理する

夏場は窓を開けているだけでは室温が十分に下がらないことがあります。

必要に応じてエアコンなどを利用し、愛犬が快適に過ごせる環境を整えましょう。

また、気温だけではなく湿度にも注意が必要です。犬はパンティングによる蒸散を利用して熱を逃がすため、高温多湿の環境では体温調節が難しくなります。

真夏の日中は散歩を避ける

気温が高い時間帯の散歩は、熱中症のリスクを高めます。

環境省も、夏の日中の散歩を避けるよう注意を呼びかけています。

夏は早朝や日没後など比較的涼しい時間帯を選び、愛犬の呼吸や様子を見ながら散歩しましょう。

アスファルトの熱にも注意する

犬は人間より地面に近い位置を歩くため、路面からの熱の影響を受けます。

さらに熱くなったアスファルトは肉球にも負担をかけるため、散歩前には路面の状態を確認しましょう。

☀️ 気温だけを見て散歩を決めない
日が落ちても路面に熱が残っていることがあります。「外気温が少し下がったから大丈夫」と判断せず、実際の路面や愛犬の状態も確認しましょう。

車内には短時間でも残さない

夏の車内は短時間でも温度が急上昇する可能性があります。

環境省も、冷房の効いていない車内にペットを残さないよう呼びかけています。

「数分だけだから」「窓を少し開けているから」と考えず、愛犬を暑い車内に残さないようにしましょう。

外出時も水を携帯する

前半で紹介した厚生労働省の手引きでは、熱中症予防として外出時に水を携帯することが示されています。

散歩やドライブ、旅行などでは愛犬用の飲み水を準備し、必要に応じて休憩を取りましょう。

出典: 厚生労働省「補助犬使用者及び訓練事業者のための補助犬衛生管理の手引き」

犬の夏バテと食べ物に関するFAQ

最後に、犬の夏バテや食べ物について飼い主さんが疑問に感じやすいポイントをまとめます。

犬が夏バテしたら何を食べさせればいいですか?

元気があり、熱中症や病気を疑う症状がない場合は、まず普段の食事を基本にして食べやすく工夫してみましょう。

例えば、ドライフードをぬるま湯でふやかす、ウェットフードを組み合わせる、馬肉や鹿肉などを少量トッピングする方法があります。

特定の食べ物だけで夏バテを治そうとせず、水分と栄養バランスの両方を意識することが大切です。

犬が夏にご飯を食べないのは何日まで様子を見ていいですか?

「○日なら必ず大丈夫」と一律には判断できません。

年齢、体格、持病、普段の食事量などによって状況が異なるためです。

特に水も飲めない、ぐったりしている、嘔吐や下痢がある、呼吸が荒い、ふらつくなどの症状がある場合は、日数で様子を見るのではなく早めに動物病院へ相談してください。

夏バテした犬に馬肉を与えてもいいですか?

健康上の問題がなく馬肉を食べられる犬であれば、普段の食事へのトッピングとして取り入れる方法があります。

ただし、馬肉そのものが熱中症や夏バテを治療するわけではありません。

食欲が落ちているときにいつもの食事に変化をつけるための食材として考え、初めて与える場合は少量から様子を確認しましょう。

犬に人間用のスポーツドリンクを飲ませてもいいですか?

夏の水分補給だからといって、人間用のスポーツドリンクを日常的に犬へ与える必要はありません。

人間向けの商品は糖分やナトリウムなどが犬向けに調整されているわけではないため、基本的な水分補給には新鮮な水を用意しましょう。

脱水や熱中症が疑われる場合は、自己判断で飲み物だけで対処せず獣医師に相談してください。

犬の夏バテにビタミンB群は効果がありますか?

ビタミンB群は、犬にとって必要な栄養素であり、体内のエネルギー代謝などに関わります。

しかし、ビタミンB群を摂れば夏バテが治ると断定できるものではありません。

普段から総合栄養食を適切に食べている犬であれば、夏という理由だけでビタミンサプリメントを大量に追加するのではなく、食事全体の栄養バランスを考えましょう。

犬の熱中症は体温何度から危険ですか?

厚生労働省の手引きでは犬の平熱を38~39℃とし、深部体温(直腸温)が41℃を超えた場合に熱中症と診断するとしています。

また、41℃を超えると熱による脳へのダメージが生じ始め、43℃を超えると各器官の機能不全により死亡率が急激に高まると説明されています。

一方、環境省資料では熱中症の軽度症状として「高熱(40℃近く)」が挙げられています。

そのため、「41℃になるまで待ってよい」という意味ではありません。暑い環境にいたあと、激しいパンティングやよだれ、ふらつきなどの異常が見られたら早めに対応しましょう。

出典: 厚生労働省「補助犬使用者及び訓練事業者のための補助犬衛生管理の手引き」

犬は夏に1日どれくらい水を飲めばいいですか?

前半で紹介した資料では、犬の水分要求量の目安として、

体重(kg)0.75 × 132ml/日

という計算式が示されています。

簡易的には体重1kgあたり50~60ml/日も一つの目安です。

例えば体重5kgなら約250~300ml、10kgなら約500~600mlとなります。

ただし、これは水皿から飲む水だけではなく、食事に含まれる水分も含めて考えます。気温、運動量、食事内容、健康状態などでも必要量は変化します。

出典: 新潟県獣医師会「補助犬の衛生管理」

食欲が落ちた愛犬には馬肉・鹿肉をトッピングする方法も

夏場に「元気はあるけれど、いつものドッグフードへの食いつきが悪い」というときは、食事に少し変化をつける方法があります。

そこで選択肢になるのが、馬肉や鹿肉などの肉類を少量トッピングする方法です。

肉だけを主食にするのではなく、普段食べている総合栄養食などを基本にしながら、食事への興味を引き出すために活用しましょう。

🐎 必要な分だけ使いやすい「馬肉パラパラミンチ」

いつものフードへのトッピングとして馬肉を試してみたい方には、馬刺し専門店が作ったペット用「馬肉パラパラミンチ」があります。

パラパラ状の冷凍ミンチなので、塊肉のように毎回切り分ける必要がなく、愛犬の食事に使う分だけ取り出しやすいのがメリットです。

  • 馬肉を愛犬に試してみたい
  • いつものフードに少量トッピングしたい
  • 冷凍庫から必要量だけ取り出したい
  • 肉を使って食事に変化をつけたい

※商品の価格・内容量・原材料・保存方法・給与方法などは、購入時に公式サイトで最新情報をご確認ください。

三重・伊賀の鹿肉を活かした「獣道ラボ」という選択肢

馬肉だけでなく、愛犬の食事に取り入れられる肉類の一つが鹿肉です。

獣道ラボでは、三重・伊賀の里山で捕獲された鹿の命を無駄にしないため、犬用ペットフードとして活用しています。

野生鳥獣は農作物被害などの問題から捕獲されますが、捕獲後の命をどう活かすかも大きな課題です。

獣道ラボでは、自ら山に入り鹿と向き合うなかで、利用できる部位をできる限りペットフードとして活かすことを大切にしています。

🦌 三重・伊賀の里山から、命を愛犬の健康へ

獣道ラボでは、鹿肉だけでなく、スジ・軟骨・レバーなど、それぞれの部位を活かした犬用ペットフードを取り扱っています。

「愛犬に鹿肉を試してみたい」
「原料の背景まで分かるペットフードを選びたい」
「捕獲された鹿の命を無駄にしない取り組みを応援したい」

そんな方は、獣道ラボの商品もぜひチェックしてみてください。

まとめ|犬の夏バテ対策は食べ物・水分・暑さ対策をセットで考えよう

夏になると愛犬の食欲が落ち、「何を食べさせればいいのだろう」と心配になる飼い主さんもいるでしょう。

元気があり、熱中症や病気を疑う症状がない場合は、ウェットフードやぬるま湯を活用して水分を補ったり、馬肉・鹿肉などを少量トッピングしたりして食事に変化をつける方法があります。

ビタミンB群も犬に必要な栄養素ですが、「ビタミンB群を与えれば夏バテが治る」と考えるのではなく、普段の食事から必要な栄養をバランスよく摂ることが基本です。

この記事のポイント

  • 犬の平熱は38~39℃が目安
  • 厚労省手引きでは深部体温(直腸温)41℃超を熱中症の診断基準としている
  • 水分量の簡易目安は体重1kgあたり50~60ml/日
  • 飲み水だけでなく食事に含まれる水分も考える
  • ウェットフードやふやかしたフードで水分を摂らせる方法もある
  • 馬肉・鹿肉は普段の食事へのトッピングとして活用できる
  • ビタミンB群は必要な栄養素だが、夏バテの治療薬ではない
  • 激しいパンティング・ふらつき・嘔吐・ぐったりなどがあれば食事より受診を優先する

そして最も大切なのは、「夏だから食べないだけ」と決めつけないことです。

厚生労働省の資料では犬の平熱は38~39℃、深部体温(直腸温)が41℃を超えた場合は熱中症と診断するとされています。熱中症が疑われる状態では、何を食べさせるかよりも冷却や動物病院への連絡を優先してください。

元気はあるものの夏の暑さで食欲が落ちている場合には、室内環境を整え、新鮮な水をいつでも飲めるようにしたうえで、愛犬が食べやすい食事を工夫してみましょう。

三重・伊賀の里山から

命を活かし、愛犬の健康へ。

有害鳥獣として捕獲された鹿を、ただ廃棄するのではなく次の命につなげたい。
獣道ラボは、自然の恵みを活かした犬用ペットフードをお届けしています。

※本記事について
本記事は犬の夏場の健康管理について一般的な情報を提供するものであり、獣医師による診断・治療の代わりとなるものではありません。愛犬に体調不良や普段と異なる症状がある場合は、かかりつけの動物病院へご相談ください。